2023年10月16日
「ガザの110万人の一般市民に退去を勧告」
イスラエル首相のこの一言でいよいよ地上侵攻かとの思惑が高まり、国際金価格はスポットで一気に1930ドルまで急騰。典型的な有事の金相場。噂(地上侵攻)で買って、仮にニュース(地上侵攻)になれば利益確定の売りとなる手口。こんな時まともに金を買うのは短期筋しかいない。すべてはイスラエルの出方次第。
有事の金のドカ買いは悪魔の選択だよ。
結局金市場へ持続的影響を与えるのはやはりFRBの金融政策と米議会混乱で露わになった米財政不安だ。来年の利下げへのピボット(転換)や米国債格下げによる米ドルへの信認低下。その結果世界の中央銀行が外貨準備のドルを減らし、公的金保有量を増加させている傾向は一過性とは言い難い。
連日報道されるガザの衝撃的映像は悲劇的であり、イスラエル・パレスチナ問題に大きな禍根を残すことは間違いなかろう。ただマーケットには実質金利のような金融要因がジワリとボディーブローの如く効いてくるのだ。