豊島逸夫の手帖

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金店頭小売価格10000円に届く日

2023年331

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本日の金店頭小売価格は9385円で最高値更新。
NY金価格がKITCOグラフ緑線で1980ドル台。2000ドル寸前。
NY市場では米国銀行不安一服で株が上がっているのに金も上がった。

その背景にはFRB不信がある。
長期間ゼロ金利と量的緩和を続け、政策転換するや史上最速の利上げとQT(量的引き締め)に走った。多くの銀行がマネー過剰の時代には余剰マネーを国債で保有。金利が上がれば、その保有国債の価値がみるみる下落して、銀行の財務諸表が悪化することは目に見えていた。にもかかわらずFRBは座視するのみ。銀行に対する規制強化にやっと動き始めたが、これはこれで銀行の融資基準が厳格になり貸し渋りが生じて、結局景気が悪化する。
もはやFRBの金融政策は信じられないという市場センチメントが強くなっているので、銀行危機一服と言われても「はい、そうですか」と金市場は素直に受け止められない。

バークレーズは、銀行預金引き出しの津波の第一波は破綻により起きたが、第二波は預金者の不安感で預金引き出しの話がSNSで瞬時に拡散されると予測。
そんな話を今朝7時からのBSテレ東「日経モーニングプラスFT」に生出演して語りました。眠いよ(笑)。

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更に昨晩はYouTube豊島逸夫チャンネルで「ゴールドセミナー」を配信。

タイトルは「【金】最高値でも金(ゴールド)を買いたがる日銀OBたち」だが、中国やロシアなどの中央銀行の金購入とその理由についても詳説した。なんせ2022年の公的金購入は1100トン超で、年間金生産量3500トン超のほぼ1/3が、中央銀行の金庫に退蔵されたわけだ。ヘッジファンドの金買いと異なり、外貨準備の金ゆえ数十年は保有し続ける。その結果金価格の下値は底上げされる。これは重要な金価格上昇要因と言える。

週末にもYouTube更新の予定。ツイッター@jefftoshimaで告知します。

2023年