豊島逸夫の手帖

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FOMC総括、利下げへの転換は来年

2023年7月27日

パウエル議長は何を心配しているのか。
FOMCが終わった。結局パウエル議長はいつもの「データ次第で利上げは決める」という常套句で、結果的には何もコミットしなかった。

米国消費者物価上昇率(CPI)は9%から3%に下がったじゃない。もう利上げなど必要ないでしょ?と詰め寄られても、いやいや変動の激しい原油などを除いたコアのCPIはまだ年率4.8%。FRBが重視するPCEデフレーターというインフレ率もコアで4.6%(今晩最新データ発表予定)。最終目標の年率2%にはまだほど遠いと強調する。マラソンの30キロ通過みたいなところでインフレもこれからが胸突き八丁。特にサービス産業の賃金が下がり難いことを懸念している。

パウエル議長は性急に対インフレ勝利宣言などを出して、その後でインフレがぶり返すリスクを警戒しているのだ。そんな無様なFRBを見せつける結果になれば中央銀行への信頼は地に落ちる。

パウエル議長の本音はFRBもどこまでインフレがしつこいのか読み切れない。暗中模索を強いられているわけだ。
それゆえ、利上げ終了とは言い切れない。
とは言え、利上げが最終段階に入ったことは事実なので、NY金価格は引き続き歴史的高値圏にあるわけだ。利上げ終了となれば次の段階は利下げ開始となる。年内利下げはないが2024年は利下げへの転換の年となろう。金利を生まない金には追い風となろう。

中期的な視点では金がインフレヘッジとして買われている。
強力な利上げの副作用として不況のリスクも高く、米地銀破綻リスクも消えたわけではない。今週は米地銀合併の事例が出た。
逆イールド現象も変わらない。世界的にはドル安傾向も変わらない。
米国債の格下げリスクも変わらない。
金が買われる理由は揃っている。

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さてさて、本日の旨いもの写真は厚真の親戚からの差し入れで朝どれトマト。これがこれぞ真のトマト!濃く甘い。まず東京では味わえない。このトマトジュースも最高。都会に住むと鮮度が高くて旨い野菜は最高の贅沢だよ。お土産で最も喜ばれるのは新鮮な野菜。何とか饅頭とかではない。そして毛ガニも差し入れ。身が詰まっているので重い。トマトとカニの贅沢な食事をホテルの部屋でいただいた。締め切りに追われ仕事しながら(笑)。
今日の札幌は32度。さすがに外出する気にはなれず。こちらの気候に慣れると帰京して社会復帰できるか危うい(笑)。

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2023年