豊島逸夫の手帖

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円139円、日経平均3万2千円割れ

2023年7月12日

日銀政策修正の噂で円が買い戻され145円から139円に。国内金価格を支えてきた円安は終わったのか。
日米金利差による円安傾向は変わらない。

今回の円高は植田日銀総裁が「政策修正」するとの観測。と言ってもイールドカーブコントロールを多少いじる程度の話。所謂利上げなどできる状況ではない。気張って0.1%程度の利上げか。0.25%も利上げしたら日経平均は暴落する。片やFRBは0.75%刻みを連発して1年超で5%もの利上げを実行した。更に今後追加利上げ2回も辞さずの姿勢。結局日米金利差は縮小しない。逆に拡大する可能性の方が大きい。ゆえに円安トレンドは変わらず。円高と言っても投機筋の円売りポジションの買い戻しが主体だ。先週の段階で米国市場の投機的円売りポジションが過去最大規模に膨らんでいた矢先のことだ。

なお、円高で日経平均も下落。しかし外国人の日本株買いは変わらない。中国経済後退現象が顕著なので、特にこれまで中国株を持っていた外国人投資家は日本株に乗り換えている。基本的にこれまで見向きもされなかった日本株が外国人投資家の「定番メニュー」、「シェフのお薦めメニュー」になった。

さて、本日は米CPI発表。来週は7月FOMCと真に重要イベントが続く。
日本の株・外為市場は外国人プレーヤー主導の動きなのにホスト役の日本人にはこういうグローバルな視点が欠けていることも心配。植田総裁発言など日本人としては残念なことだが、欧米市場では殆どスルーされている。でもメディアの「日銀クラブ」は所謂社内のエリート集団なので、偉そうな顔して植田総裁との「禅問答」にふけっている。片やFRBパウエル議長の記者会見は若手の女性記者たちが「ハイ!ジェイ(パウエル氏のファーストネーム)」と気楽に挨拶してパウエル氏が避けたい質問を次々と突き付ける。遠慮がないから見ている方も禅問答ではなく分かりやすい。この記者会見の席に偉そうなことを書いている日本人記者も同席しているのに、しきりにカメラで写真を撮り、メモを取るのに必死で自ら挙手して質問することなどできない。一度だけ「勇敢な」日本人記者が質問していたが英語が分かり難くパウエル議長も困惑していた。まぁNY駐在といっても2~3年だからね。国際派は社内で主流ではないし。

さて、今日の写真は赤坂溜池にあるツッカベッカライカヤヌマのザッハトルテ。ご主人はオーストリアのお菓子マイスターの国家資格(一発合格者のみで再度挑戦はできない難関)を持つ唯一の日本人。ホンモノのザッハトルテはここだけ。ということで今や超人気商品で常に売り切れ状態。しかもホールとは貴重品だ。ありがたくいただいた。

3752①(ホール).jpg

3752②(カット).jpg

2023年