豊島逸夫の手帖

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秋相場入り初日、NY金は下げ、円建て金は上げ

2023年96

Labor Day連休明け初日の国際金価格はKITCOグラフ緑線の如く下げ。9月の利上げは見送りとしても11月の利上げはあり得るとの見解からドル高が進行した。ドル円は147円台。その結果円建て金価格は最高値を更新。最近の金市場を象徴するような一日であった。

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但し、追加利上げの有無についてはNY市場で真っ二つに割れている。昨日本欄に書いた雇用統計にしても良い部分を強調すれば金は売り。悪いところを重視すれば金は買い。

昨日注目されたのはウォラーFRB理事の「先週発表された経済指標はとても良かった!」との発言。「えっ!かなり悪いデータが続いたけど」と思われるが、ウォラー理事は利上げに積極的なタカ派。それゆえ月次の新規就業者数が3か月平均で10万人台まで減ってきたことを歓迎しているわけだ。失業率悪化、賃金高止まりは軽くスルー。いずれハト派のFRB高官が反対意見を述べるであろう。

円相場も11月の利上げを見込み、ドル買い・円売りが続く。いずれFRBが利下げに転じる時には円高に転じるが、それは未だ先の話で当面は円売りポジションを維持の姿勢だ。現在の円建て金価格には円安プレミアムが2000円程度乗っているというのが筆者の感覚。

さて、秋には欧州に行こうか、スペインのバスクあたりに興味あるな、今年は金の国際会議もスペインだしなどと思っていたら、バルセロナにとんでもない数の観光客が殺到して、ついにバルセロナには来ないでくれとのお触れまで出される始末。何せ人口150万人程度の都市に10倍以上の1500万人超もの観光客が押し寄せて、しかもマナーが悪く住民が困っているらしい。そこで市はホテルなど宿泊施設の新設を禁じたとか。いやはやコロナ後のリベンジ消費・旅行はまだまだ続いているね。フランスの人気観光地モンサンミシェルでも同じようなことが起こっていて観光客は訪問を控えるように訴えている。しかも欧州行きのフライトはロシア上空を飛べず、現地の物価は対円のユーロ高で高く、しかも異常気象で熱波直撃。まだ米国行きの方がマシだ。私は仕事でNY行きは回避できないが、個人的には北海道が良い(笑)。京都も祇園の行きつけ「らく山」に行きたいのだけど、相変わらず37度とかの酷暑が続いていてうっかり行けない。「らく山」の大将が鱧にシャキシャキと包丁を入れる音を思い出しては、ごくりと唾を飲み込んでいる次第(笑)。 

2023年