豊島逸夫の手帖

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米国経済の不況入りは確実

2023年7月11日

史上最速の利上げ強行はインフレ抑制する代わりに景気を冷やす。更に米銀の相次ぐ破綻により、市中に出回るカネが減り、これも設備投資や個人消費を冷やす。

NY市場では米国経済の景気後退は不可避と見られている。
問題は、その不況が軽度で済むのか、重度となるのか。

米国エコノミストの間でも意見は割れる。
最新のデータでは米国経済成長率が年率2%ゆえ、打たれ強いのでなんとか軟着陸(インフレは終息して景気も落ち着く)できるという楽観論。
インフレもなく景気も維持されるように金融財政政策を運営するのは至難の業、否、不可能と断じるのが悲観論。
前者なら金は下げ。後者なら金は上げ。

筆者は米国経済を測る尺度として具体的事例に注目する。
例えば最近米国ディズニーランドで待ち時間が減ったということが昨日はニュースになっていた。
コロナ前には平均25分から50分だったのが、今年は25分以下になっている。直近でも7月4日の独立記念日を軸にした連休期間の入場者数が稼ぎどころなのに今年のワースト3に入るほど閑散としていたという。
リベンジ消費が一巡して米国人の消費性向が萎えているようだ。個人消費は米GDPの7割近くを占めるのでその影響は大きい。
次にクレジットカードの支払い遅延件数が増えている。
コロナ給付金を貯めて手元資金は増えていたが、そろそろ底を突いてきたようだ。
そして中古車価格が下落。コロナ時には急騰していた。それで新車購入が増えているかと言えばこちらも好調とは言えない。
以前本欄で最近のニューヨーカーの習性として午後5時からの夕食が増えていることを書いた。在宅でなくてもよいのに在宅を選好するという傾向はコロナが米国人の消費性向を変えたのか。

まだ現時点で米国の消費が弱いとは言えないが気になる兆候は出始めている。要経過観察である。

さて、先週のことだが筆者が夏季札幌サテライトオフィスに移住する前に、ご近所付き合いのマガーリのマダムとシェフの「たかさん」が我が家で暑気払いのディナーを作ってくれた。一流シェフが自宅に来てくれるとは「何という贅沢」。
3751①(たかさん).jpgアクアパッツァ、たかさん流のポーク巻き、カラマーリ(イカ)とイカの形に似たパスタ、空豆のパスタ、コーンのシャーベットを和えた前菜などどれも絶品!友人も含めて6人でワイワイやって楽しかった。
3751②(アクアパッツァ).jpg3751③(ポーク巻き).jpg3751④(イカパスタ).jpg3751⑤(空豆パスタ).jpg3751⑥(コーン前菜).jpg

2023年