豊島逸夫の手帖

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金現物小売価格が1万円になる日

2023年1月26日

本ブログ2020年7月22日付けではこう書いた。
タイトルは金現物小売価格、7001円に

以下、本文。
今日の日本の金市場の話題は、店頭小売価格(消費税込み)がグラム7000円の大台を突破したことです。勿論、円建て金価格の史上最高値更新。但し消費税は段階的に上がってきているので、その分は割り引いて考えるべきでしょう。

今日は朝から筆者のもとに感謝メールが続々届いています。

セミナーでは2014年頃から「東京オリンピック開催の2020年には国内金価格7000円台」と語っていたので、「半信半疑(笑)」でその頃に金を買った人たちが喜んでいるのです。但しその当時の筆者の予測はドル建て金価格が1700ドル、円相場が120円という内容だったので、「まぁまぁ結果OK」というところでしょうか。円相場が想定より円高に振れていますね。しかし筆者は相変わらず筋金入りの「円安論者」なので、円相場は「長期的には」いずれ120円台に「回帰」してゆくと見ています。これもセミナーで披露してきたことですが、私の財産の半分はドル建て資産。少子高齢化で移民も拒む国の通貨「円」の購買力は徐々に弱まるとの見立てです。今や日本の公的年金(GPIF)も運用資産の半分近くは外貨建てですからね。「私はドルなんて持ってないし関係ない」という人でも、実は大切な年金が既に円離れしているのです。他人事ではありません。

以上引用

さて、国内金価格の次の目標はグラム10000円。
5年以内には十分にあり得る数字だ。

そもそも筆者は長期的に国際金価格は3000ドルと語っている。これに対しては2014年に7000円台と語った時と同様に「マジですか」という半信半疑の受け止め方が目立つ。

金価格形成過程も金価格形成要因も今や急変化。これまでの経験則とか「市況の法則」などの古い考え方は頭の中のハードディスクから消去する必要があろう。今株式や債券市場に滞留するマネーのほんの一部が金に流入するだけで、金価格は桁違いの水準になる時代だ。そもそも金市場内部だけを見ていてはダメ。グローバルな視点でマネーの動きを見なければならない。株専門家だとか金専門家だとか縦割りに「専門家」集団を作りたがるが市場の実態は有機的な繋がりで動いているのだ。

なお、金に限らず最近の市場のボラティリティーは半端ない。それゆえリスク耐性を鍛えることも重要だ。ここは理屈ではない。「胆力」がものを言う。マニュアルで教えられることではない。自らのカラダで体験することだ。

2023年