豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖
  3. バックナンバー
  4. ジャクソンホール中央銀行フォーラム始まる
Page3774

ジャクソンホール中央銀行フォーラム始まる

2023年8月25日

いよいよ8月相場のメインイベントであるジャクソンホール(米国ワイオミング州)での中央銀行幹部サミットが始まった。この会議のメインイベントは日本時間今晩(金曜夜)に予定されているパウエルFRB議長講演。今週のNY市場は事実上このイベントしか頭になかったと言っても過言ではない。パウエル氏が何を語るか。ちょっとした一言が株価、金利、為替、商品市場で大きな値動きを誘発する。

具体的にはこの会議で追加利上げのような短期的な話はないと思う。中期的に現在の政策金利水準をいつまで維持するのか。年末か、来年前半か。更に利下げへの転換はいつ頃かも重要なポイントだが、これについてもまだまだ先の話で具体的な言及はないと思う。それでも市場は講演原稿の行間を読み、先取りして動く。

このジャクソンホール会議が終わると9月初旬のレイバーデー(労働者の日)の連休明けからいよいよ秋相場入り。
NY市場の参加者も夏季休暇から戻り、本格的な売買を再開することになる。8月相場を動かすのは短期筋ゆえ筆者はあまりまともに見ることはない。今週などはNY時間も殆どゴルフ番組などを見て過ごしていた。

なお、今回のジャクソンホール会議ではインフレターゲットを3%程度に引き上げるべきかという議論にも注目だ。物価目標は2%台で安定的に推移すべきとの考えがこれまでの主流であったが、世界経済の実態を見るに、3%程度で物価が安定的に推移するならば、それで良しとする現実的対応への支持が高まっているのだ。2%まで無理やり引き締めて物価を下げると深刻な不況、或いは金融不安を招きかねないからだ。但しこれまで2%をターゲットとして明示してきたので、いきなり3%に引き上げるのはサッカーに例えれば試合中にゴールポストの位置を変えるようなもの。まずは短期的にでも2%まで下げてから3%への引き上げを実行すべきだ。約束を果たしてから次のターゲットを決めるという手順が必要であろう。
市場の視点では3%を容認するのであれば、もはや利上げなど不要ということになり、金利を生まない金には追い風になる。

なお、植田日銀総裁の存在も日本では注目されるがNY市場ではスルーされている。所詮日銀が打つ手は小ぶりで市場に与える影響もFRBに比し極めて限定的だからだ。

さて、全国ニュースでも報道されているとおり、北海道全道に熱中症アラートが発動されるという異常事態になっている。確かに蒸し暑く、北海道はクーラー無しの家が多いので、熱帯夜はきついだろうね。デパートやモールに涼みに来る人たちも目立つ。筆者もぼちぼち札幌サテライトオフィスから移動の段階かと半ばあきらめ顔だ。とは言え7、8月の大半を札幌で過ごした身ゆえ果たして東京で社会復帰できるか(笑)極めて疑問である。何のかんの言っても北海道の暑さは東京のようなまとわりつく暑さとは違う。特に夜の空気が熱帯夜とは言え東京に比しサラサラ感がある。あくまで相対的比較ではあるが。というわけで少々気が重いが上京(帰京ではない)の準備中。9月になったら帰札するかも。東京の長期天気予報を見るに9月も昼36度~夜26度が当分続きそうだからね。
今日の写真はアグリスケープ(農園レストラン)。吉田シェフと。

3774a.jpg

3774b.jpg

採りたて野菜だけではなく肉類メニューも豊富でユニーク。写真のプレートは左から鹿のサラミ、自家製ソーセージ、そして何と何と熊肉のテリーヌ。これこそ北海道らしい珍味。野性味溢れる組み合わせだったよ。

3774c.jpg

2023年