豊島逸夫の手帖

2023年3月20日

いやはや金曜から今朝（月曜朝２時）まで、週末は欧米銀行不安に振り回されました。土曜と日曜は営業日ではないので、危機状態の銀行への対策を金融監督当局が取り組むには「今しかない」というくらいの曜日なのです。更に筆者はスイス銀行出身なので情報も多く、思い入れもあり、結局週末４８時間で４時間程度しか寝ていません。正直疲れました。３日連続でＹｏｕＴｕｂｅライブをやりましたのでそちらを視聴してください。特に今朝（月曜朝２時）の買収決定の部は「一体何が起きたのか」分かり易く説明してあります。

■ ３月１８日（土）
UBSがクレディスイスを買収案、米銀不安とFOMCを読む

■ ３月１９日（日）
チューリッヒ発　クレディ―スイス、UBS買収、日曜朝の最新情報

■ ３月２０日（月）
月曜朝２時。ついにUBSによるクレディスイス買収案、国の肝入りで決定。その詳細を解説。

それから明日も含めて、３回連続でテレビ朝日「グッド！モーニング」のニュース編でクレディ・スイスを扱い、筆者も手伝っています（朝６時半から７時くらい）。

金市場は、先週クレディ・スイスに資金供給があり、一時安心感から金価格に下押し圧力がかかったのですが、金曜日には再び同銀行株価が急落。先週は毎日クレディ・スイスから１兆円程度！のマネーが流出しました。シリコンバレーの銀行とは異なり大銀行ですから数字もデカイ。そこでクレディ・スイスもついに白旗。ＵＢＳに買収されることに。ここまでの過程で安全資産としての金が買われ、２０００ドルに接近、そして本日突破しました。

私の想定より今回の金融不安は根が深く続きそうです。ＮＹ金も２０００ドルの水準を固めてゆくと見ています。年初の想定どおり、まずは２１００ドルが上値。下値は１９００ドル。当面はとにかく欧米金融不安が終息するか。ＦＲＢの利上げはどうなるか。