豊島逸夫の手帖

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ファースト・リパブリック・バンク破綻

2023年5月2日

昨日は1時間の差であった。
何かと言えば、週末にファースト・リパブリック・バンク救済について、月曜日の東京市場オープンの時間帯に何か重要な発表があるかと待っていたが、夕方までには来ず。ブログをアップしてから1時間後に「破綻」の発表があった。NY市場オープンには間に合ったことになる。
銀行破綻は土日に舞台裏で交渉が進行して、月曜日朝の市場混乱を回避するものだが、今回も例外ではなかった。
JPモルガンが買収することに決まり、先週金曜日まで「ファースト・リパブリック・バンク」の看板で営業していた支店が、月曜日朝にはJPモルガン支店或いは関連金融機関として、これまでどおり営業を継続したのだ。預金者に実害はなかった。税金を使った公的救済も回避された。但しファースト・リパブリック・バンクが保有する不良債権の買い取りに関して、損失が生じればFDIC(米連邦預金保険公社)が一部を支援するという一項が含まれる。要はステルス(隠れ)公的救済の面も否定できない。
市場は先週の時点でファースト・リパブリック・バンクの預金の4割が流出して、株価は8割近く暴落して、NY証券取引所で一日に10回も取引停止時間があったため、実質「破綻」と見做していた。それゆえサプライズはない。

国際金価格も典型的な「噂で買ってニュースで売る」という展開。

3712①(KITCOチャート).jpg

KITCO24時間価格グラフの緑線のように派手な展開であった。
急騰後、急落したのはISM景況感指数が47と前月比では上昇したと理解され、利上げ観測が強まりドル高に振れたから。とは言え景況感指数は50を境に景況感の良い悪いが判断されるので、6か月間50以下というのは決して良いとは言えず、逆に悪いと理解すべき。この判断に市場も迷った。結果的には最近居心地が良い価格水準である1980ドル台に収まった感がある。

さて、いよいよ5月3日にはFOMCの声明文発表とパウエルFRB議長記者会見がある。日本時間では4日早朝になるので4日午前8時予定でYouTube豊島逸夫チャンネルにて総括する。
こういう時は臨機応変に対応できるYouTubeが便利だね。
なお、機材トラブルなどでライブ配信時間が変更になる場合はツイッター@jefftoshimaで告知するよ。

2023年