2023年11月2日
国際金価格はFOMCで動かず。今回のFOMCは利上げ見送りが確実視されていたので予想どおりの結果。パウエル議長は「必要なら追加利上げも辞さず」とのいつもながらの切り口上。これも織り込み済み。FRBが最も恐れるのは利上げの手を緩めた後でインフレが再燃すること。それゆえ常に予防線を張っている。
金価格は2000ドルまで上げて、その後一服感漂う。それでも1970ドルは歴史的高値圏。今回の上げ相場はじっくり下値を切り上げてゆく展開だ。
日本は三連休に入るが金曜日の雇用統計は極めて重要。それからFOMCの影響が今晩のNY市場で顕在化することもある。何せFOMCでのパウエル記者会見が終わるのが大引け30分前だから、まだ材料を十分に消化していないこともあるのだ。
昨晩はBSテレ東の日経ニュースプラス9に生出演。7分ほど円安と介入について語った。
私は台本なんてあっても、本番ではアドリブ中心で台本どおりには進まない関西系の番組で育ったので、きっちり台本どおりに進める東京のBS番組は妙に緊張する(笑)。台本で言い残したことはないかチェックするので、どうしても下を向く傾向があることに気付いた。上品な作りの番組にも適応せねば。関西流に司会者をいじるなどもってのほか(笑)。
介入の話だが、神田事務次官が「スタンバイ」と発言したことがニュースになっているが、そもそも世界中の投資家がドル買いに動いている時に日本の金融当局がのこのこ参加してドル売り・円買いの介入をすることに無理がある。
今や外為も金もAIの時代。AIと日本当局のせめぎ合いとなろう。145円程度は瞬間的に円高にもってゆけると思うが問題はその後どうなるか。昨年の今頃の市場予測ではFRBが「利下げ」を2回くらいはしているはずだった。それゆえドル安も視野に入るから国際通貨投機筋も深追いはしなかった。
ところが今年は違う。Higher and longer 政策金利は高く、長く続けるのがFRBの方針ゆえ、来年の9月くらいまでは現行の5%台のドル金利が継続されよう。対して日銀は大した手は打てないから日米金利差は縮小しない。
それゆえ為替介入が一巡すれば、これまで円売りの波に乗り損なった世界の投資家が今度は自分たちの番とばかりに円売り第二弾を仕掛けるだろう。
今年の円安は昨年と異なり長期化の様相だ。155円まで有り得ると番組では語った。