豊島逸夫の手帖

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投資疲れした人が辿り着くところが「金」

2023年8月8日

ウォールストリートジャーナル紙が「金」についての記事を載せている。

ギャラップ調査によると、金をベストな長期資産運用先と見ている人は2022年の15%から2023年は26%に上昇。株を選好する人は同24%から18%に減っているという。因みに債券を選択した人は4%から7%に増えている。

個人投資家の44歳エンジニア氏のコメントも引用。
「2021年にバイオ・テック株に投資して大損した。そこで長期に亘り価値を維持する「金」に乗り換えた。貴金属なら夜も眠れるし、私を傷つけることもない。貧困者救済の慈善食糧提供の場に並んで誰かが私に恵んでくれることを待つなんて真っ平だ。」
何とも米国人らしいセリフだ。

「銀行危機で株や債券から撤退して、金を購入した。」という43歳男性のコメントも紹介している。「貴金属を買って保有する分には価格が上がろうと下がろうと気持ちがくじけない。(you feel pretty good about it)」と言う。「価格が下がれば、より多く金を買える。価格が上がれば、私の財産が増える。ウィンウィンだよ。」
まぁ金の広告ならありそうなセリフだが、ウォールストリートジャーナル紙が編集記事で載せているところに意味があると筆者は感じた。

現在米国人投資家の20%が金を保有しておりポートフォリオの14%が平均との調査結果も引用しているが、これは業界の調査なので額面通りには受け取れない。もし米国人が本当に平均14%も金に回していたら、今頃金価格は5000ドルになっているのでは?

筆者の体験では総じて株で大損した人たちが金に惚れる傾向がある。セミナーで金地金を実際に手に持たせると「重い!これは俺を騙さない。」と呟く人と「うわー!金だ。金だ。」とはしゃぐ人とに分かれる。後者は幸いにして投資で大損の体験など無い人であることが多い。それゆえ金を手のひらに置いた時の反応で筆者はその人の投資歴を見抜けるのだ。

さて、今日の写真は札幌郊外で札幌市を見渡すラベンダー畑。

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それから赤れんがテラス内の店でビスク(ロブスターのスープ)が中に入っているオムライス。

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2023年