豊島逸夫の手帖

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円建て金価格、1万円視野、売る人、買う人

2023年620

円建て金価格が再度最高値更新。いよいよ1万円の超大台が視野。まさかこの日がこんなに早く来ようとは筆者も思わなんだよ(笑)。

さて、それで売る人、買う人。人生色々、様々。

まず、グラム3000円とか5000円で買っていた人たちは当然売り戻しの誘惑に駆られる。尤もなことだ。ただまだ上げトレンドが壊れていないので逸失利益は悔しいからグッと堪えている。仮に今後下げ始めたらドドッと売りが殺到するかも。この層は中高年代が多い。

対照的に若い世代は「こんな高値」というより、そもそも金と初の出会いが9000円だったから、中高年層より高値恐怖心は薄い。氷河期世代ゆえこれまでいいことは何もなかった。バブルも知らない。挙句の果てこれからもっと悪くなることは覚悟の上。結婚していてもしていなくてもおひとりさまになる可能性はある。そこで若いのに老後の心配をせねばならない。金ならインフレで目減りする可能性は低そう。でもそれって本当なのか。確かめにセミナーに来る。

北朝鮮ミサイルのJアラートも効いている。これが専門家の語る地政学的リスクということなのかと感じている。陸続きの国境がなく対岸の火事と見ていたがもはや他人事ではない。台湾有事の流れ弾リスクも。北海道では現地メディアから超真面目にロシア侵攻リスクに備える話が語られる。本州の人たちにはピンとこないであろうが札幌サテライトオフィスを持つ筆者は体感してきたことだ。

それから保有している金の価値が急上昇してポートフォリオに占める割合が40%近くになってしまったという人もいる。ここは所謂リバランスの売りも妥当であろう(15%程度まで落とす)。
売った人でも下がったところで再度買う人の事例も少なくない。所謂成功体験ゆえ大胆になっている。

マクロ的には米国財務上限、米国債債務不履行問題をキッカケに日本の財政不安が意識され、植田日銀の大規模金融緩和維持もお札ばら撒きにより円紙幣の価値希薄化リスクを醸成している。刷れるドル・円、刷れない金の対比が鮮明だ。

さて、今日の写真は磐梯山をバックにボナリ高原ゴルフクラブ。ゴルフ場内の湿原には菖蒲も。

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そして帰京してそのまま近所のお祭りに。コロナ禍前のような久しぶりの賑わい。

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一方、NY市場で日本株熱冷めず。

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2023年