豊島逸夫の手帖

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NY金、狂乱の一日、基調は底堅い

2023年12月5日

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昨日本欄で週明けいきなりNY金が暴騰した仔細を解き明かした。
その後同日の欧米時間に入るとNY金の乱高下も徐々に収まり、2040ドル台という歴史的高値圏で底堅く推移している。とは言えそこに至る過程が凄かった。アジア時間帯に安値は2020ドル、高値は2140ドル!40年近く金相場と付き合ってきた筆者でも東京の午前中にこんな激しい価格変動は初めてだ。

しかし、NY時間に入るとアジアの乱高下は大した話題にもならず、基本的にNY金は史上最高値突破後、利益確定売りをこなし、held steady(底堅い)という評価である。
中期的流れとしては乱高下を繰り返しつつ、レンジの下値を切り上げてゆく展開だ。
特に今回は「複合要因」なので上昇相場は一過性ではなくまだ続く。

例えば、ギリシャショックで史上最高値を付けた時、要因はギリシャ財政破綻だけであった。それゆえ1900ドル突破という当時の史上最高値更新劇も線香花火で終わった。
対して、今回は中央価格帯が2000ドルということになりそうだ。レンジは明らかに切り上がった。但し日々の価格ボラティリティーは激しくなろう。AIが介入しているからだ。シートベルトはきつめに低く締めて臨まれたい。
狂乱相場が一服すれば2150ドル方向に徐々に収れんしてゆくであろう。

2023年