豊島逸夫の手帖

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米中合意に向け本気度を探る市場

2019年11月26日

NY株は再び最高値更新、NY金は1450ドル台の攻防。

最大の理由は米中貿易協議「第一段階」合意に向け、米中同時に肯定的コメントを流していること。全面合意などあり得ないと割り切っている。とにかく何らかの形で「当面」合意の運びとなれば市場の想定通りの展開。

リスクは香港情勢。「民主派」地区選挙圧倒的勝利で習近平政権の対応が注目される。弾圧は避けられまいと見る。トランプ大統領は「香港の人権問題は重要だが米中貿易協議も重要。」と語り、香港問題への深入りを避けつつ貿易交渉の材料に使っている。

なお、中国側が特許・著作権など知的財産権保護に向けて、国内の判定基準(ガイドライン)を厳格にするとの報道が効いている。知的財産権の盗用に対して罰則を刑事罰まで拡大して強化する方針とされる。中国企業もせっかく自社が開発した技術がいとも簡単にコピーされることへの不満は強い。それゆえ知的財産権問題は国内へのアピールでもある。

更に、仮に法制化されても果たしてどこまで実行されるのか、その検証方法が未だ定かではない。中国共産党の介入も不可避であろう。これはトランプ大統領も承知の上だ。彼は大統領選挙を視野に、とにかく選挙民たちに胸を張って「実績」と誇示できる「カタチ」が出来れば良しとする。中国側も同様。貿易戦争の影響で経済低迷が色濃く国民の不満は鬱積している。とにかく国内向けに暫時安堵させる展開になれば良しとする。かくして両者の思惑が一致したところで、カタチだけでも「手打ち」の姿が世界に流れれば良し。マーケットも阿吽の呼吸で米中歩み寄りを評価して株は買われる。しかし米中経済「冷戦」が長期化するは必至ゆえ、株式市場は「噂で買って、ニュースで売る」展開が考えられる。それゆえ金は下げ渋っている。


因みに、中国の特に地方政府の幹部たちの人事評価項目の第一は「中国共産党への貢献度」、次に「担当地方の経済成長」更に最近は「環境保護」も重要。そこに「知的財産権保護」の進捗状況も加味されることになりそうだ。

筆者が訪問した中国の金鉱山の社長さんは、自分の評価が「金生産量目標達成」次第と語っていた。「金鉱山会社の利益最大化」ではなく、とにかく割り当てられた生産量順守が最優先とされていた。上場されている中国金鉱山では、さすがに利益達成が重要だが実態が未だ国営企業という旧態依然たる金鉱山も少なくない。

そもそも全体主義国家に資本主義的ビジネス形態を持ち込み独自の経済モデルを創るという発想に無理があると感じた。米国側が要求する「中国経済構造改革」、特に政府の5Gなどハイテク分野での企業奨励金ばら撒きを是正することのハードルは極めて高い。G5で中国に負けじと米国企業を叱咤・鼓舞するトランプ氏がいかにわめき散らそうとも中国側は譲れない点だ。その狭間で日本勢が完全に置いて行かれたことがなんとも残念至極である。今更5G開発に数千億円支援と言っても虚しい。米中は企業ベースで兆円単位のカネをつぎ込んできたのだ。桜の会で大騒ぎしている場合ではなかろう。日本経済が伸るか反るかの正念場に立たされているのに自覚がなんとも薄い。

だいぶ話が逸れたが(笑)、ついつい勢いでやり切れなさが文面に出てしまうね(# ゜Д゜)。益々肉食が加速しそう。。。。生まれつきガリガリで痩せているのだが健康診断で「中性脂肪」過多で注意された。生まれて初めてだよ。どこに中性脂肪とやらがついているの??多分、内臓脂肪だよね。やばい!ステーキは脂身を避けサーロインではなくもっぱらフィレを選んでいるのだけど焼石に水かな(笑)。

せめてシーフードをマガーリ@自由が丘で。旬の魚介類いっぱいのパスタ。ぷっくり牡蠣のオムレツ。海の幸、イタリアン風を満喫~。

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2019年