豊島逸夫の手帖

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天安門リスク現実味増す

2019年11月12日

香港情勢が極めて憂慮すべき状況になっている。
四中全会(共産党大会)で対香港強硬策が確認され、習近平氏は香港に出向き香港行政長官と対談。報道用写真を見ても上席に国家主席がドンと構え、行政長官がお伺いをたてるという構図で撮られている。まさに反民主化デモに屈するなとハッパかけにきた印象だ。一国二制度は香港・台湾に関して中国共産党が「絶対」譲れない。主権に関わる問題だ。ここまで暴徒化すると人民解放軍介入の口実を与える結果になる。

米中貿易協議への影響も無視できない。トランプ大統領は「人権問題」として関税引き上げに絡め駆け引きしてくるであろう。関税を国際政治交渉のツールとして使うことがトランプ流だ。中国側は当然猛反発するであろう。

ここまで読んで、昨日の米国市場では株の売り材料にされた。

一方、金価格は1450ドル台に沈んだままだ。こちらの方は徐々に安値圏を形成してゆく過程と見る。仮に天安門リスクが現実化すれば、地政学的リスクに鈍感になった市場もさすがに反応するであろう。2020年を展望するにあたり要注意リスクだ。

さて今日の写真は、イタリアはトスカーナ特産の「キアナ牛」Tボーンステーキ@マガーリ。Tの右がフィレ肉で左がサーロイン。1500年も前から役牛(農耕や運搬)として育てられ、牛の中でも最大級の種。認定キアニーナ牛は年間1500頭。純血種のみを守り厳しく限定された地産の飼料を与える。27か月齢未経産メス牛、21日熟成、凝縮した赤身は肉特有のしつこさが全く感じられず。骨から削り取る「なかおち」の部分が最も旨いのだ。連日荒れた相場で肉食系になっているカラダに、すいすい摂取されてゆく(笑)とまで書いたところで、念のために確認したらもう売り切れだって。マダム曰く、人気でなかなか手に入らないとのこと。


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因みにステーキは赤身に限る私は、ロンドンのアルゼンチン牛専門店で食べた赤身が未だに忘れられず。NYでも色々探したが、純粋のアルゼンチン牛の店はなかなか見つからない。
とりあえず、最近近くのスーパーに出回っている熊本産あか牛も十分に旨いので満足。私の肉食モードは年末相場入りで当分、香港情勢同様に収束の気配なし。

2019年