豊島逸夫の手帖

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英国漂流、ほくそ笑む中国

2019年6月17日

英国は一帯一路の終着駅。その英国がEU離脱に揺れ国内の断裂が激化して、ほくそ笑むのは中国です。英国はチャイナマネーを受け入れてきましたが、今後も中国の対英投資は増えるでしょう。

その典型が、原発です。

習近平が訪英してエリザベス女王と馬車に同乗した時、手土産に持ってきたのが中国製原発でした。

当時のキャメロン首相はそのお土産を受け入れ、老朽化した国内原発を中国製に変えることに賛成したのです。

とは言え英国内の世論も割れました。メイ首相も就任当時は計画見直しに動きました。

それでもヒンクレーポイントという地域にある原発については、中国広核集団という原発企業から38%の出資を受け入れました。

それほどに英国はチャイナマネーに依存せざるを得ないのです。

EU離脱は益々混迷。次期首相と見られるボリス・ジョンソン氏は合意無き離脱も辞せずの構えです。

仮にジョンソン首相になっても事態は全く変わりません。

おそらく総選挙、あるいは第二回国民投票となるでしょう。

国内の亀裂は深まるばかりです。

因みに首相候補者の多くが薬物汚染の過去を持つという異例の事態になりました。

日本だったら一発レッドカードでアウトですよね。

英国では「薬物より離脱」。

離脱が党利党略に揺れているのです。

さて今週はいよいよFOMC。

金価格の方向性も金利で決まります。

 

 

2019年