豊島逸夫の手帖

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米国で同族企業見直しの機運

2019年9月3日

日本ではリクナビが「内定辞退率、企業に販売」で大騒ぎになっていますが、米国の就職最新事情は同族企業へ就職・転職の事例が増えていること。

上場企業は3か月ごとに決算を発表し、結果を出さないと株価が下落するということが常態化しています。CEOも2年、3年契約で雇われですから、その間に結果を出そうとします。結果的に長期的な戦略が立てられず画期的な仕事が出来ません。とりあえず社内リスクを回避して無難に切り抜けるという心理が支配します。

でもこれは長期的に見てイノベーションの芽を摘むことになります。じっくり仕事をしたい、新たな分野を開拓したいという人たちの中には、この際、同族企業で腕を振るってみたいと感じる若者が増えてきたのです。

勿論、同族企業のオーナー社長には個性的な人物が多いですから、それはそれで容易な決断ではないでしょう。

とは言え、特に大企業は今やCCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)の方がCEOより偉そうに振舞っているのが実態でしょう。CEOも脛に傷持つ人物が少なくないですからね(笑)。叩けば埃も出る。そこに社外取締役の存在感も強まっています。社内組織図を見ると、まるで「あみだくじ」みたいに入り組んでいて、レポーティングラインも実線やら点線が交錯した結果、現場の社員には3人くらいの「上司」あるいは「監督者」が目を光らすということになります。

私だったら、そういう職場環境で働くのはまっぴらごめんですね(笑)。だから邦銀勤務も長続きしなかったわけですが。

なお、職場のもうひとつの話題は三井住友銀行が職場でカジュアルな服装を許可したこと。これも実はウォール街で最近流行っているのですよ。ゴールドマンサックスがドレスコードを緩め、スーツでなくても可と「ドレスダウン」したのです。「ドレスコード」を「ドレスアップ」の反対というわけ。最近、特にミレニアム世代の若者たちはバックパックにスニーカーで出勤が普通ですからね。これも時代の流れでしょう。

 

2019年