豊島逸夫の手帖

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どうなる、今年の景気

2019年1月22日


まだ1月も終わっていないのに、大手証券会社が相次いで今年の経済成長率見通し、株価予測を引き下げ、話題になっています。
新年あけて僅か3週間で変えるのかよと思いますが。
それを語るアナリストは平然。外れるのは当たり前と言いたげ(笑)。
私の実感でも市場最前線で感じる景況感は悪化しています。
世界規模で商売している友人たちからは「昨年12月に入って売り上げがストンと落ちた。」という声が続々。


そう言えば、日本電産の永守会長も「11~12月には、これまで体験したことがないくらいガタンガタンと受注、出荷が落ち込んだ。尋常ではない事態だ。原因は中国。」と明言して話題になりました。
それでも「中国はこれでめげるようなやわな国ではないよ。意気消沈して、えらいこっちゃと言ってるわけではないからね!(記者会見終了後にカメラマンに向かって)業績下方修正(14%減)して謝ってるのとちゃうからね!!」永守節全開でした(笑)。


トランプ・リスクがいよいよ実態経済に効いてきた感じです。
市場原理を無視したアメリカ・ファーストのごり押し。世界の社長さんたちが経営の先行きに暗雲を懸念して、設備投資も差し控えるという状況です。
昨年は、とりあえず11月までは日米株価も上がっていたので強気も残っていました。一般人の感覚では「みんなボーナスもそこそこ貰っているようだし、株も上がってるし、景気は良くなってるんじゃないかな、私は違うけど」みたいな状況でした。


それが今年は年初から「今年は消費増税もあり、景気は良くならないね」という感覚が拡散しています。
専門家の間では景気が「減速」か「後退」かが議論されます。上昇幅が縮小してもとりあえず前年比プラス圏に留まるのか、マイナス圏に沈むのか。
まだ一回の表の攻撃中なので判断は出来ません。


こういう視界不良ゆえ、安全資産=金は買われる環境と言えます。

2019年