豊島逸夫の手帖

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異例の中国国営企業デフォルト未遂

2019年2月27日

アルミ生産の青海省投資集団がオフショア・ドル建て社債の利払いを遅延。25日に駆け込みで返済してデフォルトは回避と財新が報道した。

一方、同集団は2月25日午後5時を過ぎた同日午後7時に元金・利子2140万元を上海清算機構に返済したと発表。2時間の遅れは「技術上の理由」とされると財新は伝えている。

上海市場では、これが22日期限のオフショア・ドル建て社債と同一の案件か否か定かではないとされている。地方政府を巻き込むドタバタ救済劇の動揺が透ける。

S&Pは同集団の格付けを「ジャンク」に引き下げた。

中国では民間企業の社債デフォルトが顕在化してきたが、国営企業のデフォルト・ニアミスは異例だ。青海省投資集団を地方自治体の「融資平台」と見做すアナリストもいる。

3月5日からの全人代を控え、慌てた政府が緊急救済に動いたと市場では推測されている。

米中通商協議で「中国経済構造改革」まで踏み込んだ議論が延長戦で続いている時期に、敢えてアルミ生産という「オールド・エコノミー」国営企業を救済せざるを得なかった。

経済成長が目立って鈍化する中で「構造改革優先」をなりふり構わず撤回する事例が目立つ習近平政権の「綱渡り」がはからずも露呈された感もある。

なお、青海省は標高が高く経済の民度は「最貧地域」とされ、地方債務の比率も高い。そして中国人投資家の視点では、これまで気にすることもなかったデフォルトのリスクを思い知らされると、破綻しない金の価値にマネーが回帰する。

今日の写真は、関西の私のお気に入り料理人たち。

京都祇園らく山の「大将」とシャイな「おかみさん」。家庭的に切り盛りする雰囲気が好きだ。

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そして大阪は福島地区の晩酌食堂Hanaco+のシェフ。彼の東京時代(20年前)からの馴染み。若手の奥さんが店の中を仕切っている。

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結局わがままを言える行きつけの店に通ってるな~~。新規開拓が進まない(笑)。

 

 

 

 

2019年