豊島逸夫の手帖

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年金出る?出ない?

2019年4月19日

先日、本欄で「年金なんて出ない」と冷ややかに呟いたら、これが思わぬ反響で、出先で色々質問されました。

独立系で自由に発言できる立場ゆえ、本音を軽く呟いたのですが。

周りを見れば今の日本社会は年寄りだらけ。その巨大シニア軍団が医療費などで日本の蓄えを食い潰してゆく。年金の運用も株価頼み。しかも案の定と言うか、異国からの移民には強い抵抗感を示す。

将来を見渡せばなにがしかの年金は出るにしても、とても日本国民全員がまともな生活を出来るような年金の額は望めないと思います。マネー誌などで人生100年時代とかいって、色々シミュレーションが載っていますけど虚しいですね。だって今後100年はおろか、10年後、否、来年、世界がどうなるか見当がつかない時代ではないですか。そして足元では消費税がちょっと上がることで大騒ぎしている。OECDが言うとおり、日本の消費税は20%以上にならなければ財政は破綻しますよ。

財政破綻した国、ギリシャに足を運んだのも、財政破綻すると国民はどうなるか、その予告編を見たかったからなのです。

勿論、日本とギリシャの経済は比較になりません。産業基盤が違います。国民の教育水準も違います。とは言え、ひとたび財政が破綻すると、どうなるかという意味では参考になりました。

要はイソップ物語に例えれば、アリさんは蓄えがあるから何とか凌いでいる。しかしキリギリスさんはたちまち蓄えが底をつき、教会などの施しに頼らざるを得ない。それも見られると恥ずかしいから隣の町の教会に密かに通うとか。

やはり普段から積み立てなどで地道に蓄財を心掛けているか、いないかで、その差が残酷なほどに異なるものかと感じました。

ですから私が語っているのは、年金などアテにしないで自力で自分を守るしかないということなのです。

年金はもらえれば御の字、くらいに考えておいた方が良いでしょう。

なおギリシャで絶望した私が希望を持ったのはアイルランドに行った時。欧州金融危機でアイルランドも経済危機に陥りましたが、国民性が地味な働き者で教育水準が高い島国という日本との共通点があり、他の南欧諸国に先駆け経済が復活したのです。今年はブレグジット問題で揺れていますが大丈夫。勇気づけられたものです。

以上、今日は年金問題についての本音の所感でした

2019年