豊島逸夫の手帖

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金、続騰

2019年1月30日

NY金が1315ドルまで急騰してきました。

ちょっとスピード違反気味ですが(笑)。もっとジックリ上がってくれた方が上げ相場が長続きする。まだ1月がやっと終わろうかという、野球で言えば1回表の攻撃ですから。いずれ反動の売りに晒されると思います。

現在進行中の金価格上昇の要因をまとめると、

1)1月FOMCを控え、パウエルFRB議長が利上げやFRB資産圧縮を停止する可能性がある。本欄でこれまでも詳しく語ってきたことです。ドル金利上昇が減速すればドル安になりNY金は買われる。

2)米中通商交渉が3月を期限として進行中だが合意に達する見込みは少ない。中国側が大豆などを大量に買って貿易収支赤字を減らすだけでは米国側は満足しない。更に知的財産権保護、中国に進出する米国企業への強制的技術移転要求、中国企業への国家的支援、そして「中国製造2025」に代表されるハイテク覇権争い。特に最後の問題は経済構造の根幹に関わることゆえ、中国側も絶対妥協できない。中国側は知的財産権について規制強化を謳う程度か。米中が歩み寄らねばマーケットはリスクオフになる。

3)そもそも中国経済が異音を発している。輸出入統計、PMI景況感指数などが明らかに経済減速から失速の可能性を示している。

4)トランプ政権は対中強硬派のライトハイザー通商代表やナバロ氏などが優勢で、柔軟派のムニューチン財務長官やカドロー国家経済会議委員長は劣勢だ。トランプ大統領はとにかくコアの支持層を固めることしか考えていない。ロシアゲート捜査も進展中で大統領弾劾への動きも出始めた。実現可能性は少ないがマーケットの心理は悪化する。安全資産=金が買われやすい市場環境だ。米国企業の決算発表にも米中貿易戦争が影を映す。アップル、キャタピラー、エヌビディアなど中国販売減で大幅に株価を下げている。

なお、ブレグジットはさほど影響ないと思います。

さて、ガーラ湯沢はピーカンです(笑)。中国人、タイ人だらけ。場内アナウンスもタイ語、中国語、韓国語、英語。ここが日本か(笑)。


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2019年