2019年10月4日
3日のNY株式市場は劇的な展開となった。
まず9月ISM非製造業景況感指数が、事前予測から大幅に下振れ52.6まで低下した。ISM製造業景況感指数、ADP民間雇用統計と連日経済指標悪化でダウ平均は急落が続いていた。またかとばかりにダウは3日も300ドル超の急落で反応した。
しかし、ここで市場の解釈が急転する。
3日合計でダウが1000ドル超の下げとなったところで、10月利下げ確率が93%近傍まで上昇したことがキッカケだった。
それまでは「悪いニュースは悪いニュース」と素直に反応していたマーケットが、緩和期待から「悪いニュースは良いニュース」へ180度解釈を転換させたのだ。
あたかも試合中にゴールポストの位置をいきなり変えられた如き展開。
この急転換を主導したのは株空売り投機筋だ。さすがに3日でダウ1000ドル超の下げとなると、売られ過ぎを懸念して巻き戻しの出口を模索していた。
自らの売り手仕舞いの口実となる都合の良い解釈を選択したわけだ。
本日は「主要経済統計ウィーク」のトリとも言える雇用統計が発表される。GMのストライキの影響もあり芳しくない数字が予想される。さすれば利下げ確率は更に上昇する。株価も金価格も続騰する。
これが事前予測段階でのシナリオだ。
果たして都合よく市場が展開するか定かではない。
最大の疑問は利下げで果たして経済が好転するのかということだ。
米中通商摩擦懸念が晴れねば視界は開けない。金利急低下の市場環境で社債を含め低コストの資金調達は増えているが、その殆どが借り換えだ。新たな設備投資意欲は萎えたままである。
金融政策の限界が意識されれば利下げを素直には喜べない。
パウエルFRB議長も通商問題への金融政策対応は未体験分野として持て余している。
とは言え、6月、9月と2回にわたる「予防的利下げ」のワクチン効果は既に切れつつある。経済の痛み止めとして10月FOMCでは再度利下げが決まりそうだ。もはや発症しつつあるので「予防的利下げ」ではなく「対処療法的」利下げとなりそうだ。しかし保護主義という厄介な病巣にメスを入れねば企業業績改善を伴う本格的株価上昇は見込めまい。
頼みの財政政策もウクライナゲート勃発、弾劾を巡るネジレ議会の断裂により、実現のハードルは高まってきた。
このような市場環境は短期売買のヘッジファンドの草刈り場となる。恐怖指数VIXも警戒水域とされる20を挟む水準まで切り上がってきた。昨年10~12月期の市場大変動の記憶も鮮明に残る。
まともな投資家はポートフォリオのリスクを減らし、投機筋は一段とレバレッジ=リスク選好度を高める傾向が強まりそうだ。
このような市場環境の中でNY金は1500ドルの大台をかろうじて維持。投機筋もどっちに動いてよいのか戸惑っている状況で雇用統計を迎える。
今日の写真は旬のリンゴにグリーンリーフをミックスした100%ジュース。これは絶品!
そしてマリーゴールドのハーブティーをバジルのアイスクリームに注ぎミックスして飲むと、これが爽快な風味になる。これもはまった(笑)。