豊島逸夫の手帖

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来年「利下げ」確率、3割超す

2019年3月18日


市場は年内利上げ無しを織り込み、更に来年1月までに利下げ1回の確率が29%に達してきた。2回利下げの確率も5%を示している。

対して、FOMC参加者は年内1回程度の利上げを見込む可能性がある。注目はFOMC後に発表されるFRB経済見通しだ。そこに掲載される「ドット・チャート」で、年内1回に意見が集中しているのか、或いは2回、ゼロ回も含めて見方が割れているのか。

そもそも、ドット・チャートはFOMC参加者の予測を分布図で示す。結果的に金融政策の方向性が明らかになる。それゆえ市場の関心は高い。

しかし、パウエル議長は「ドット・チャート」廃止の可能性を示唆している。あくまでも参加者個人の予測に過ぎないのだが、市場では強い材料となり、思惑から乱高下を誘発しがちだ。


次に注目されるのは、最近ウォール街の流行り言葉になった感のある「忍耐強く」という表現。利上げには慎重な姿勢を表すとされる。金融政策の方向性は、我慢強くデータを見ながら決めるとの姿勢を明示している。Patientは今やFRB議長はじめ、地区連銀総裁の講演でも必ず使われる単語となった。

仮に、この言葉が今回削除されれば、すわ利上げ視野かと市場は荒れるかもしれない。


FRBバランスシート圧縮も重要な議題だ。

既に引き締め効果のあるFRB資産圧縮を年内に棚上げの可能性をパウエル議長は示唆している。

今回のFOMCでは詳細に議論されそうだ。

その結果、年内、例えば9月を目途にFRB資産圧縮停止となれば、NY株式市場では「緩和的措置」として歓迎されよう。外為市場ではドル安・円高要因となるので、東京株式市場は素直に喜べない。


特に今回気になるのは、FOMC声明文発表とパウエル議長記者会見がNY時間20日午後になることだ。日本時間では21日休日の早朝となる。日本が休場の早朝という時間帯は、円が短期投機筋に最も狙われやすい。飛び石連休の合間は通常は取引が薄くなるが、今週の22日金曜日に限っては要注意だ。東京市場がFOMCの結果を受け、初めて開くことになる展開になるからだ。


なお、FOMC参加者の目は日銀にも注がれる。

例えば、クラリダFRB副議長は「欧州と日本は未だマイナス金利・ゼロ金利の危機対応モードで、経済ショックへの対応が容易ではないことを見逃すべきではない」ことを利上げ停止の理由として挙げている。

先週の日銀金融政策決定会合は多くの欧米市場関係者が、その結果を見守った。これまでは「無風」とされ材料視されなかったが、昨年後半から急速に注目度が高まっている。但し昨年は「日銀の出口はいつか」が問われたが、今回は専ら「日銀の追加緩和はあるのか」との質問が多かった。

市場では主要中銀の「緩和比べ」がテーマとなり、相対的に緩和スピードが速いと見做される国の通貨が売られる傾向が顕著になろう。


金市場には価格上昇要因となる。来年の話だが万が一、早まって今年の利下げとでもなれば、サプライズ感は強く、金価格1500ドルも視野に入るほどのインパクトがあろう。


週末は、ABC朝日放送出演のため大阪。テレビ局近くの「晩酌食堂Hanaco+」に昼飯を食べに行った。偶然にも20年来の私の知り合いシェフ関谷さん経営の店だ。最近、関西テレビで紹介されて人気という「マグロ丼」を食した。さすが職人の関谷さんだけあって、和歌山まで出向いて独自のマグロ供給ルートを開発。これで1000円は価値がある。混み合う理由も分かる。裏メニューの関谷流牛丼も一味違う味だった。熱い赤だし味噌汁が体に沁みた。


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あと、虎屋ミッドタウンで旬のよもぎ餅と桜生菓子。本当に緑の濃いよもぎ餅だった。


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2019年