豊島逸夫の手帖

Page2825

郵便局の不正行為

2019年7月10日

個人マネーが株だ不動産だとバブルに浮かれて踊っていた時、うちの祖母は地味に郵便局で定期預金を組んでいました。年率8%!!!マイナス金利時代の今となっては夢のような確定利息ですが、その当時はコツコツ郵便貯金など時代遅れ。もっと手っ取り早く儲かる話がいくらでもあるという雰囲気でした。

そしてバブルがはじけ、最後に笑ったのはおばあちゃんだったのです。

その郵便局=日本郵政グループのかんぽ生命が不正発覚に揺れています。

かんぽ生命保険のセールスマンは全国に2万局ある郵便局の職員。

新規や契約乗り換えを獲得すれば手数料が入ります。郵便局ではノルマを課していました。

そもそも郵便事業は維持に高いコストがかかります。そこで金融事業での儲けで郵便事業を支えるという構図になっているのです。

このような職場環境の中で、一部局員が高齢者相手に旧契約の継続と新契約への乗り換えを同時に行って二重取りしていたという事例が発覚しました。総件数は2万2千に達するとのこと。

郵便局と言えば、特に地方では誰もが信頼する存在ですよね。その信用を悪用したと言われても仕方ないでしょう。顧客の3割が70歳以上です。

結局、郵便局員が郵便貯金、投資信託、保険を全てセールスするという形態になっています。当然、専門知識は薄く広く。でも郵便局への絶対的とも言える信頼があればこそ、そのような安易なセールス形態が維持されてきたわけです。

おそらく、この不正行為は氷山の一角ということになりそうですね。

要経過観察です。

2019年