豊島逸夫の手帖

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ゾゾ、ヤフーが買収

2019年9月12日

今朝は朝一でゾゾをヤフーが買収というニュースが飛び込み大騒ぎ。起業家の前澤社長はカリスマ性はあるがマネジメントとなると苦手。よくある話で経営はプロに任せた方がいい。創業者の前澤氏は月面旅行のために体力作りに励む。

そもそもゾゾはネット画面で体の寸法を採って、体形にフィットしたウエアを作る販売方法が注目された。それも最初は無料。しかしゾゾは女心を見抜けなかった。「寸法を採るのが面倒臭い」、「タダというから試してみた」程度の顧客が多かった。実際に届いたウエアを着用してみたら確かに寸法は合っているが、どうも脚が太く見えるとかなかなかシックリこない。

優良会員に10%引きなどの安値で販売したことも、ブランドイメージを損なうとメーカー側から不満続出。

ツイッターで「アパレルの原価は安すぎる」と唐突に呟いて業界から総スカンということもあった。不都合な真実をあっさり語ったわけだが、リアル過ぎて洒落にならなかった。

今回のヤフーによる買収もキッカケはソフトバンクの孫社長と意気投合したこと。孫さんの豪邸の風呂に一緒に入り、共同ビジネス展開について即決を迫られ中国関連事業で合意した。その流れで今回の買収劇に発展。

ヤフー側はアマゾン、楽天に押され気味なのでゾゾが持つ特に若年女性層の顧客集団は魅力。

一方、ユニクロの柳井社長は「ゾゾはおもちゃみたいな商品」とバッサリ。全く相手にしなかった。

今後はまずゾゾタウンに出店する企業へのサポートを強化すること。とは言え、つい先日までやる気満々の姿勢を示していた前澤社長がコロッと態度を豹変させたことに不信感は募る。

とにもかくにも個性的な創業者。

自動運転車製造のテスラの創業者イーロン・マスク氏を想起させる。

奇しくもマスク氏が計画している月面旅行に前澤氏が搭乗を予定していることも象徴的だ。

因みに世界の金業界では金鉱山会社社長に個性的な人材が多い。だが御多分にもれず経営感覚はイマイチ。そこで最近はCEOをウォール街からリクルートして経営を任せるという事例が増えた。

同族企業に乗り込むプロの社長という感じ。これ、以前に本欄に書いたことにも合致する現象だ。

大阪の船場で優秀な人材を婿殿に迎え社業を任せるという発想にも共通点がある。

さて今日の写真は山梨から届いたブドウ。今年は暑かったから早い。甘くて旨い!もう初秋なのに暑い~~。


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2019年