2019年4月12日
フランスでは母親の年金申請にあたり、育てた子供一人につき最大2年間の保険加入期間加算があるそうです。更に子供3人以上だと10%の年金額加算も。
豊島逸夫事務所副代表の治部れんげは働くママさんのオピニオンリーダーですが日本も本気で人口を増やすならこれぐらいのことはやって欲しいと言っていました。
別の例ですが、フランスの現地法人に3年勤めた筆者の友人の場合、フランス政府から年金が月8万円相当送金されてくるそうです。
さて、問題はこういう高福祉を誰が払うのかということ。
フランスの若年失業率は20%以上。
難民移民問題も抱え財政状況も悪い。
高福祉に慣れたフランス国民は当然、既得権を強く主張するでしょう。満たさなければストライキというのがフランスの通例です。
この問題はどこかの時点で臨界点に達するでしょうね。
フランスの10年後はかなり厳しいと思います。
このフランスの事例は今の欧州が抱える諸問題の一つに過ぎません。国により様々な問題を抱えているのです。そこにEU本部が介入するので事は更に複雑化します。とにかく目先の減税とか年金制度維持を掲げるポピュリズムが勢力を拡大する結果にもなります。
日本だって他人事ではありません。
先日あるパネルディスカッションで、日本の年金は大丈夫かという話題になった時、私は冷ややかに「もうパンクしていますよ。」と言い放ったのですが、そこである女性FPの方が声を張り上げ「年金は出ます!出ますよ!」と声高に返してきました。
よく考えたら、この方は年金でどのような老後の生活設計が出来るかを説く人でした。そこに私は「年金は出ないよ。」と言ったわけですから、そんなこと言われたら困るでしょうね。