豊島逸夫の手帖

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貿易摩擦雑感

2019年5月23日

日米貿易協議はペナルティーボックス入り。アイスホッケーでペナルティーを取られた選手が暫時入るところ。米中、米欧が丁々発止やり合う間、トランプ大統領は令和初の国賓として来日。更に6月大阪でG20の合間に習近平主席と会談予定。G20本会議より会場外の米中トップ会議がメインイベントになりそう。

そしてアメリカのママたちを貿易戦争が直撃。25%追加関税発動後、出荷された中国製ベビー用品がそろそろ米国に到着。部品製造工程と組み立て工程が国境をまたぎ、サプライチェーンがあみだくじみたいに複雑化していて、他国製品や自国製品での代替が難しい。

ヘッジファンドの動き。

「大阪G20で米中手打ちとなり株が急騰すれば、そこを売ろうと思う。」ヘッジファンドの発言が印象的。手打ちと言ってもお互い譲れないところは譲れない。米大統領選が近づけば、再び米中貿易戦争が再噴火するだろう。長期的に落としどころ模索が続く。

そしてNY株式市場が楽観的な理由。米中関税合戦は米国消費者・有権者の反発を買い次期大統領選挙に悪影響。そこで対中から矛先を日本に向け、農産物関税引き下げ、日本車輸入数量規制となれば痛みは日本人に転嫁できる。トランプ大統領の頭の中は大統領選挙再選しかない。NY市場は痛まないが日本市場は喜べない。

 

 

2019年