豊島逸夫の手帖

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金急騰、日経平均2万割れ狙うヘッジファンド

2019年6月3日

トランプ政権のメキシコからの全輸入品に対する5%から段階的関税発動は市場にとって全くのサプライズであった。自動車サプライチェーンなどの実害もさることながら、国境警備問題に関税を「交渉用武器」に使うことが特に不安視されている。

金曜のNY市場で金国際価格は久しぶりに1300ドルの大台を突破した。

ショートカバー(先物売りの買戻し)が先行している。1300ドル以上で新規買いが出るか注目。(kitcoグラフ参照)

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一方、株式市場ではダウ平均は354ドル下げ安値引けであった。週明け3日もダウ平均時間外は三桁の下げとなっている。今晩のNY株価も続落が懸念される。

今回の株価急落の震源地は債券市場での金利急低下だが、指標となる米10年債利回りは2.13%まで下げ、安全資産としての米国債買い意欲は依然強い。

商品市場では原油が52ドル台まで急落。

VIXも18台まで上がってきたが警戒水域とされる20には届いていない。

円高も金曜に108.30台まで急進行して3日も収まる気配は感じられない。

モメンタム(市場の勢い)に乗るCTA(コモディティー・トレーディング・アドバイザー)は、日経平均2万円割れ必至と見て売り姿勢を強める。


一方、同じヘッジファンドでも中期のポジションをとるグローバル・マクロ系からは、2万円割れを拾う(買う)声も聞こえてくる。

中長期的には、2万円割れはオーバーソールド(売られ過ぎ)と見ているからだ。

米中貿易摩擦は悪化しているが、米中からの要人発言次第でムードが一変する可能性も秘める。株売りもうっかり深追いはできない。

ヘッジファンドの中では日本株が「ラスト・フロンティア」との見方もある。欧米・新興国株に比し未だ手付かずで、バリュエーションも悪くないとの見解だ。

市場の喧騒の中で日本株は外国人投資家も短期筋の売りを中長期筋が買い支える構図となりそうだ。

そして今日の写真は五島列島の方面の知り合いから届いた自家製ウニ。これが旨いの!熱いご飯にこのウニがあれば、他に何も要らない!北海道の生ウニとは違うウニのおいしさがある。

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2019年