豊島逸夫の手帖

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ボーイング・ショック

2019年10月24日

今週NY市場を騒がせている話題はボーイング社の疑惑行為。2回墜落事故を起こした787MAXについて、機体テスト段階でパイロットが「やばい。これ、当局への虚偽報告になるかも。」などという発言の記録が発覚したのです。これをボーイング社が把握した上で機材を納入したとすれば、人命軽視と批判されるは必至でしょう。未だ真相が明らかになっていないので、株価は一時12%も暴落したり5%反発したり乱高下が続いています。ボーイング社はダウ平均銘柄なので、ダウ平均株価指数にも大きな影響を与えます。

それからジョンソン&ジョンソン社がベビーパウダーにアスベスト混入の可能性があるとして、約3万個をリコールしました。株価は一時5%急落しています。

金価格というのは因果なもので、こういう不祥事が発覚して株価が下がると買われる宿命にあります。よく金のコメンテーターが株価下落を「好感」して金は買われたなどと語っていますが、その株安要因が人命に関わるような事実だとすれば「好感」という言葉は無神経との謗りを受けるでしょう。

金というのは好きな人と嫌いな人がはっきりしていますが、嫌われる理由の一つがこういうところにあるのだと思います。

金は長期保有して役立たないことが望ましい(不幸なことが少ない)と私はよく語るのですが、最近は役立ってしまうことが多いということですね。

今日の写真は、もう紅葉鮮やかなゴルフ場。

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2019年