豊島逸夫の手帖

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米中部分合意、くせ者は「原状回帰」条項

2019年12月13日

マーケットの注目は英国選挙より圧倒的に米中貿易交渉だ。

閣僚級で「第一段階」が「原則的」に合意。トランプ大統領の署名待ちとされる。部分合意内容は中国の米農産物購入を具体的に明記。年400~500億ドル程度とされるが、中国側は数量明記に抵抗感を示す。更に四半期ごとに購入実績を検証。未達許容範囲は10%とされる。

米国側は既に発動されている追加関税3600億ドル分を50%引き下げ、12月15日発動予定の1600億ドル分追加関税を凍結する。知的財産権保護、中国市場開放についてもなんらかの言及が入れ込まれる。

以上の合意事項に違えることあれば、追加関税についての状況を現状に戻す。これはスナップバックsnapbackと呼ばれる新たな条項だ。

「ちゃぶ台返し」の可能性を示唆しており、この条項がある限り市場心理改善も限定的になろう。

12日のNY市場は米中貿易関連のトランプツイートや外電報道に一喜一憂して乱高下を演じた。

トランプ大統領が米中貿易交渉にも大統領選挙にも有効な「関税」という武器を手離すはずもなく、依然株価の主導権を掌握している状況は変わらない。

従って金の下げも限定的だ。足元で1460ドル台で推移している。

 

2019年