2019年1月28日
25日のNY金市場で国際金価格は1300ドルを突破しました。
キッカケはウォールストリートジャーナルに掲載された観測記事。
量的緩和で国債を買いまくり膨れ上がったFRBのバランスシート(4.5兆ドル)を徐々に減らしてゆく、所謂FRB資産圧縮プログラムについての記事です。
分かり易く言えば、量的緩和でばら撒いた巨額のマネーを回収する作戦です。
これは金融引き締め政策となります。量的引き締めと言われます。
過剰流動性依存症になってしまった市場には歓迎されない政策です。
既にパウエルFRB議長が昨年10月に、このFRB資産圧縮プログラムは予定通り実行すると語って株急落を招いたこともありました。その後パウエル議長はこの発言を修正しています。
しかし、FRBにとっても未体験の政策ゆえ持て余していることは事実です。
前置きの説明が長くなりましたが、25日に流れた記事はFRBがこの政策を棚上げにすると書いています。
マーケットには目の上のたんこぶが取れた如き効果がありました。
あくまで「観測」ですが市場は見出しに反応したのです。
金が1300ドル突破したのはこの記事でドル安になったから。
FRBの引き締め政策の撤回は緩和政策になりますから、ドル金利下落が連想されドルは売られたのです。
今週はFOMCが開催されます。この議題はFOMC内でも議論されるは必至です。
総じてタカ派(引き締め派)だったパウエル議長がハト派的(緩和派)なトーンに転じているので、金はここまで買われてきたと言えるでしょう。
今後もこの問題は紆余曲折あるでしょう。
とは言え、NY金が1300ドルを突破した意味は大きいと言えます。