豊島逸夫の手帖

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香港の「合意なき中国離れ」問題

2019年10月17日

米中貿易協議の部分合意について懐疑論がジワリと拡大している。

中国の米農産品購入も400億ドルから500億ドルとの数字について、米中の解釈に食い違いの兆しが見られる。トランプ氏は「直ちに実行」とツイートしているが、中国側から確答は無い。苛立つトランプ氏は、実行されねば12月15日に追加関税発動をちらつかせる姿勢が市場では取沙汰される。

更に米議会では「香港人権・民主主義法案」が超党派の支持を得ている。一国二制度が機能していないと判断されれば中国側へ制裁措置を課すという内容だ。基本的に米国は香港を中国本土とは別扱いで関税やビザ発給について優遇してきた経緯がある。香港民主派支持の決定に、中国側は内政干渉として猛反発。最終的にはトランプ大統領に決定権があるので、ツイート一言で相場がひっくり返るリスクがある。

それゆえヘッジファンドの動きも超短期筋が主体だ。

民主党大統領候補者討論会もマーケットでは注目された。ウォール街が最も嫌うウォーレン候補を引きずり降ろす意図の発言が多く、その結果、同候補の発言時間が3時間中22分とダントツとなった。

市場には「ウォーレン大統領なら株価25%下落」予測が流れ、「まさか」のシナリオながら話題となる一幕もあった。民主党支持のヘッジファンド・マネージャー氏が、本音はトランプ相場継続を願うと語っていたことが印象的だ。

更に16日には9月米小売り売上高が前月比0.3%減少と発表され、0.2%増の事前予測を大幅に下回ったことも材料視された。これまで製造業は不調だが消費は底堅いとの見方が主流だったのでサプライズ感は強かった。7~9月期と10~12月期の米GDP成長率が1%半ば程度まで落ち込むとの予測が俄かに増えている。

そこでマクロ経済指標の悪化がFOMC利下げ確率を高め、株式市場では緩和期待の好材料扱いされるのか、或いは悪いニュースは素直に悪いニュースとなるのか。その時のポジション次第で決まることが多く市場も読み切れない。

株価とドルに反応している金相場も1500ドルを割り込んだところで短期的に膠着している。

さて、東京オリンピックのマラソンを札幌でとの動きが表面化してかなり荒れそう。確かに夏でも北海道なら快適。東京都は「あり得ない」という反応だが、私は「あり」かと思う。選手も歓迎かと。

その北海道の地鶏焼きが今日の写真。鶏肉の概念が変わるね。

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2019年