2019年10月31日
注目の10月FOMC。結果は短期でタカ派、中期でハト派との金融政策スタンスが示された。
まず日本時間午前3時に発表されたFOMC声明文では「必要なら適宜行動する」との緩和姿勢を示す常套句が今回は削除された。「遂に予防的利下げのワクチン投与もこれまでか」と市場は身構えた。
しかし、同3時半からのパウエル議長記者会見では、中期的に利下げが排除されたわけではないことが示唆された。インフレ率がよほど上がらない限り利上げは考えにくいとの発言で、緩和終了の可能性が実質的に否定されたのだ。
ブレグジットと米中通商摩擦に関してもリスク後退のシナリオが語られた。前回は明確にリスクと指摘されていたので、市場には一定の安堵感を与えた。
かくして記者会見が進むにつれてNY株価指数は上昇を加速。
結局115ドル高で引けた。
とは言え、12月予防的利下げ確率は20%の大台を僅かながらも割り込む水準まで低下した。
2019年、これで3回続いた利下げが12月には打ち止めになる可能性が強い。そこで市場関係者の頭をよぎるのは2018年12月の市場大混乱だ。年4回目の利上げが強行されマーケットは大荒れになった。
3回連続の予防的利下げという点滴をいざ外されるとなると、覚悟の上とは言え患者の不安感は強まるものだ。利下げ打ち止めで、再び12月の冬の嵐が市場を揺らすシナリオが既視感を持って市場内には蘇る。
株高のパーティーには参加するが12月FOMC前後に一旦お開きとなるかもしれない。12月には消費財が中心となる第四弾の対中関税引き上げも予定されている。米中トップの「第一段階」手打ちが見込まれた11月チリでのAPECサミットも突然のキャンセル。雲行きが怪しい。
金価格がFOMC声明文発表直後1490ドル台から1480ドル台まで急落したが、その後買い直され1490ドル台に戻ったことは、市場の戸惑いを映す現象だ。
株を買うがヘッジとして金も買っておくという投資家心理が透ける。
今日の写真は彩豊かな北海道秋野菜の数々。前に茶色で突き出ているのが天然のナメコ茸。これらをサラダにすると下の写真となる。@アグリスケープ。