豊島逸夫の手帖

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韓国の「有事の金」

2019年11月7日

韓国がアジア経済危機の直撃を受けた時のこと。とにかく外貨(ドル)が足りない。そこで金製品の供出を国民の愛国心に訴えたところ、なんと200トン以上も集まり、それをマーケットで売却。当座の外貨不足を凌ぎました。

これぞ有事に備えて保有していた金を有事に売って凌ぐという本来の意味での「有事の金」の事例です。

かくして金の有難みを知った韓国の中央銀行(バンク・オブ・コリア)は、その後外貨準備における金の割合を増やしています。

リーマンショック直後にも金は急騰する前に一旦大きく売られています。株で大損して、当座とにかく現金が必要!という時には換金性のある金が真っ先に売られるのですね。金は市場のATMの如しと言われる所以です。

プロはそこで急落したところを狙って買う。これ勇気のいることですよ、一般個人にとっては。騒然とした中で冷静に買う。なかなか出来ることではありません。

ジム・ロジャーズ氏は東北大震災が発生した当日に日本株をまとめ買いしたと語っています。Buy Disater(災害は買い)。彼が好んで使う言い回しです。

でも個人はオーソドックスに「平時」から地味に買い増してゆくことが望ましいとつくづく思う今日この頃です。

さて、本日(11月7日)の「ミヤネ屋」に生出演して、韓国経済について意見を述べます。

サムソン電子は19年7~9月に半導体事業で78%もの大幅減益を計上しています。同社は世界シェア首位の2事業が収益を支えます。スマホなどにデータを記憶する半導体メモリーと「ギャラクシー」ブランドのスマホ。(私もギャラクシー。因みにタブレットは二つ持ちで大はサムソン、小はファーウェイ。やばいね、因みにパソコンは東芝。何から何まで私のネット機材はやばい??)なお日本政府による半導体材料の輸出管理厳格化に伴う業績への影響は限定的だった模様。サムソンは半導体生産に必要なフッ化水素などで日本以外からの代替調達を進めています。と言ってもフッ化水素世界生産の8割は日本が占めていますけどね。ステラケミファ、森田化学工業、ダイキンが主要3社。あとの2割程度を中国が占めます。果たしてハイテク世界覇権を狙う中国が「敵に塩送る」かなと思いますが。日本の半導体製造装置メーカーは韓国を見切って、中国が国をあげて支援している新半導体生産工場建設(兆円単位)に動いています。でも、これはこれでトランプ大統領が待った!をかけるかも。欧州の同盟国は既に自粛の姿勢。

そんなことを語る予定。過去の経験で本番では色々チャチャが入り予定通りには進行しないけど(笑)。

そして今日の写真は宍道湖産のプリプリ蜆の酒蒸し。

シジミ大好き。健康にも良いし。朝からシジミの味噌汁が出ると元気いっぱい!酒蒸しもいいね。


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2019年