豊島逸夫の手帖

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市場の懸念は英国よりドイツ

2019年1月17日

英議会でEU離脱案が432対202の歴史的大差で否決されたが、メイ首相不信任決議案は325対306の僅差で否決された。

EUには口出しされたくないが国内政治混迷も困るという英国民の本音が透ける。

市場が最も嫌うシナリオが労働党政権誕生のケースであった。法人税増税、鉄道・郵便再国有化、エネルギー価格凍結、金融規制強化などが党綱領として予測されたからだ。マーケットは労働党政権回避を織り込んでいたものの、僅差ながら保守党政権継続が確認されたことで安堵している。

一方、EU離脱を問う第二回国民投票に関するブックメーカーでの確率が、12月の6%程度から40%後半まで上がっている。これも市場は歓迎している。懲りた英国民が今度は理性的に残留を選択するとの読みだ。

株式市場ではVIXが一時36から18にまで低下している。

市場の潮目が変わり、巡航軌道に戻る兆しが出てきた。

年末年始、マーケットを荒らしたトレンド・フォロー(順張り)の超短期投機筋もボラティリティーが低くなると干上がりおとなしくなる。

NY市場の決算シーズンは金融株好調で始まった。

投資家も12月に株価の歴史的下落を見せつけられた直後ゆえ、企業決算に対しても高望みしない。ほどほどの数字が出てくれば御の字という受け止め方が目立つ。

とは言え、政府機関一部閉鎖は長引き、米英政権が同時に機能不全の状況に変わりはない。そろそろ市場では政府閉鎖の経済成長率への影響度が話題になり始めた。16日発表されたFRBベージュブックでも「関税」の単語は頻繁に見られるが、政府閉鎖については殆ど織り込まれていない。労働市場はタイトだが賃金上昇は限定的。初任給だけ上がっているという事例が象徴的だ。

なお、欧州経済については英国よりドイツの方がマーケットでは懸念材料だ。2018年11月の独鉱工業生産指数が前月比1.9%低下して3か月連続の減少となった。事前予測は0.3%上昇だった。米中貿易戦争の影響が欧州最大経済国にも波及している。更にドイツは「中国製造2025」戦略により対中経済作戦の変更を強いられている。技術面での外国依存から脱却する中国が優良顧客からライバルへと変貌するからだ。

英国のEU離脱を問う国民投票時には元気なドイツがいた。しかし今や欧州でドイツ独り勝ちの構図は見えない。

EU経済も低迷する状況では、EU側も本音は英国EU離脱という混乱要因は回避したい。

これまではポピュリズム台頭の中でEU離脱の連鎖を防ぐために離脱国英国が苦悩する状況を冷ややかに見せしめとしてきた。しかし今やその余裕はない。

例えば農業分野では英国がEUの優良顧客だ。米中貿易戦争の負の効果が米国企業を直撃しているのと同様に、英国のEU離脱によるEU側の経済的ダメージに対する耐性が弱体化している。

このような経済環境の中で市場は延期にせよ、再交渉にせよ、英国とEUの「共倒れ」は回避に動くと読む。合意なき離脱などほぼあり得ぬと見る。

ポンド相場がブレグジット混乱度合いを示すVIXの如く見られているが市場は冷静だ。

NY金は添付kitcoの72時間グラフでも分かるように、1280~1290ドル台を行ったり来たり。

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ゴールドマンサックスが今年の金価格予測を出した。1425ドル。私と同じだ。人の真似をするな(笑)。理由まで先日の2019年金価格予測日経記事と同じ。

今日の写真は大好物のタラ白子(別名タチ)。北海道なら生で食べられるけど、さすがに東京では熱を入れる。その加減が抜群@行きつけの誠鮨(御茶ノ水)。

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ちょうど両国国技館からお相撲さんグループ(朝乃山)も来ていた。食べる、食べる(笑)。大皿がほぼ瞬間蒸発。酒を飲まず、ウーロン茶ビッグボトルを空けていた。富山の星、朝乃山。今場所はまだ勝ち星ないけどタチ食べて頑張ってね。

私は北海道のタチを食べたい。私も酒は飲まないので皆から「よくお茶で白子食べられるね~~。」と言われる。

でもなぜか札幌の仕事が冬場には来ない(笑)。

2019年