豊島逸夫の手帖

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トランプに、もう4年、付き合う覚悟

2019年7月25日


全米が注目したモラー元特別検察官の議会証言。トランプ大統領のロシア疑惑を徹底的に調べあげるために任命された人物です。精鋭弁護士20人ほどのチームを結成して追及したのです。

それゆえモラー氏の本音が聞かれるのでは、あるいは新たな決定的証拠が存在するのではとの思惑が拡散していました。

しかし議会証言の場で、ついにモラー氏はトランプ大統領弾劾には言及しませんでした。大統領退任後の訴追はと聞かれ、頷き肯定しました。

マーケットも、もう一期=あと4年はトランプと付き合う覚悟が出来ました。

それにしても日本でもし安倍首相に過去の浮気疑惑が浮上したら、一発レッドカード=退場でしょう。米国との政治風土の違いを痛感します。


更に、英国ではトランプ似と言いわれるジョンソン新首相が誕生。トランプ、ジョンソン、プーチン、習近平、エルドアン大統領、ムハンマド皇太子。。。。何やら日本が相対的にマシな国に見えてきます。夢か幻か現実か(笑)。日本円が安全通貨として欧米市場で買われることへの抵抗感も薄れます。


ジョンソン新首相については、合意なき離脱=協議離婚ではなく、喧嘩別れの可能性が強まってきました。しかし私は仮に合意なき離脱になってもリーマン級にはならないと思います。英国の存在感が薄れていると感じます。英国抜きでも世界は廻る。欧州関連で最も心配なのはドイツ経済の凋落ですよ。製造業PMIが43まで下落。ユーロ圏製造業PMIも46まで下落。50が景気好悪の境目とされます。

しかも欧州経済の失業率は依然10%近い9%台。これは構造的問題です。


今晩はECB理事会が開催されますが、ドラギ総裁からは更なる緩和継続の話が出るでしょう。昨日本欄に書いたようにラガルド次期総裁の動きも注目されます。

日米欧ともに金融政策の限界点が近く、金価格上昇も金融政策不信を映す現象なのです。


今日の写真は牛肉中華風。コッテリしているけどくどくない、上品な味付け。これも蒸し暑い日には心地よい濃い味系。


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2019年