豊島逸夫の手帖

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記録的ドル高、金1460ドル台まで急落

2019年10月1日

ドルインデックスが99を突破して100の大台が視野に入ってきた。2018年2月には90の大台を割り込んでいたが、その後急反発して現在に至る。

ドル急伸でNY金は1480ドルを割り込み、新たな下値レンジ模索に入った。本欄想定内の相場調整だ。1450ドル程度になれば筆者も再び徐々に強気に戻る(笑)。俯瞰すれば今年は高値を既に見た。来年再度高値挑戦があろう。その際は1600ドル以上がターゲットだ。

一方、目を外為市場に転じれば、円相場も108円台と円安気味に推移しているので、日銀も円高を気にせず利下げをじっくり検討する余裕に暫時浸っているかもしれない。

とは言え、底流としての円高圧力は依然根強い。

前回ドルインデックスが100を超えた時期は2016年末から2017年初だが、この時ドル円相場は116円近傍であった。

それが現在はドル高円安と言っても108円台。

潜在的円買いの潮流が円安進行を阻んでいるのだ。

日銀も警戒感は解けまい。

なお、今回のドル高の主因はユーロ安だ。国際決済銀行の為替レポートによれば、ドルユーロの通貨ペアは世界の外為市場で売買の4割ほどを占める。多通貨に対する実効レートを示すドルインデックスへの影響度も高い。

いよいよ任期を終えるECBドラギ総裁の置き土産とも言える利下げを含む「金融緩和政策パッケージ」が効いている。「FRBとの緩和競争、通貨安競争に勝った」とばかりドラギ氏の高笑いが聞こえてきそうだ。対するトランプ氏も黙ってはいまい。これまでもECBドラギ総裁名指しで「ユーロ安誘導」と批判してきた。

マネーの流れもマイナス金利の欧州からプラス金利の米国へ大移動中である。長短ドル金利が1%台まで下がっても、プラスなら御の字という感覚がニューノーマル(新常態)になりつつある。

更に人民元安にも歯止めがかからず、結果的にドル高の一因となっている。

上海市場は国慶節のため今週は本日から休みに入った。不穏な香港情勢や米国の対中投資規制問題を視野に、休暇明けの人民元相場を市場は注視している。

なお、対中投資規制に関しては、米中ともにこれ以上の摩擦は望まずとの姿勢が窺える。ナバロ大統領補佐官は否定発言。中国側も来るマネーは拒まずが本音のようだ。米中ともに貿易協議に関しては、限定的な合意(ミニ・ディール)を模索しつつ駆け引きを継続している。

その中でトランプ氏がドル高に関してどのようなツイートで反応するのか。再びパウエルFRB議長に責任転嫁して「敵は中国かFRBか。」との発言を繰り返すのか。

市場も日銀もトランプ発言には注視せざるを得まい。

そして今日の写真は私がはまっている温泉~~、裏磐梯の沼尻温泉。露店風呂が爽快で気持ちいいよ。その名も「のんびり館」。家庭的な雰囲気で殺伐としたマーケットから解放された感覚に浸るひと時。ボナリゴルフの入り口にあり、ゴルフ好きの私には超便利。

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2019年