2019年6月11日
10日のNY市場オープン前に米国CNBCで放映されたトランプ大統領生電話インタビューがウォール街で波紋を広げている。
朝の経済番組生放送中に生出演していた米国商工会議所幹部の発言に反論のため、自らテレビ局に電話を入れてきたという異例の展開であった。
特にエスカレートするFED口撃に市場はあきれ顔だ。
経済への影響という点で関税よりFEDの金融政策を重く見ている。
筆者も聞いていて「そこまで言うか」との印象を受けた。
中国人民銀行とFEDを比較して、
「習近平氏は、言わばFEDのトップで好きなように出来る。米国は中国と同じ土俵で戦えない。」
「FEDにいる人物たちはnot my people私の側の人物たちではない。」
「FEDは利下げせず、量的引き締めを行い破壊的だ。」
電話で早口でまくしたてるので、このような刺激的発言が頻繁に混じる。
中央銀行の政治的独立への配慮どころか、子飼いの人物が居ないことを嘆くほどFEDを自陣の組織と見做している。
折から外為市場では、人民元の先物レートが対ドルで下落して6.99と「レッドライン=危機ライン」とされる7の大台に接近中だ。
「中国は人民元を安くして国際競争力を強めてきた。」というお馴染みの発言にも切迫感が漲る。
一方、NY市場では遂に「年内4回利下げ」の織り込みが始まった。来週のFOMCで議論を尽くし、7月、9月、10月、12月と連続利下げに踏み切るとの見立てだ。さすがに市場が先走り気味の様相である。
今月末の大阪G20で米中トップ会談が実現すれば、市場の警戒感も和らぎ、一気に利下げ確率も急減する可能性を秘める。
株式市場は米中歩み寄りを願いつつも、それにより利下げ回数予測が減れば緩和期待が薄れ、売り材料ともなりかねない。
債券・外為市場ではドル金利が反騰して、ドル安円高も一服状態である。
金利を生まない金の市場では、利下げが3回程度まで織り込まれたところで、利下げ期待の買いポジションが早々と手仕舞われた。1350ドル接近から1320ドル台まで急落中である。
米中通商摩擦の先行きが視界不良ゆえ、どの市場でも利益確定売りが想定より早まる傾向が顕在化してきた。
「深追いはしない」、「いただけるものはとりあえずいただく」との雰囲気が市場内に漂う。
一方、長期投資家はトランプ発言が誘発する不安感を強めつつも、バフェット氏の冷静なコメントにすがる思いで市場の展開を見守っている。
このような市場環境で年金不足2千万円とか特定できない。その人によって保有資産額は異なるし、運用するにも視界不良だし。インフレが来れば実質年金受給の購買力は下がるし。政治の材料に使われている感じだね。
今日の写真は我が家の梅。今年は大粒ぞろいで大豊作。1個100グラムもある。ビックリ!