豊島逸夫の手帖

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日韓経済摩擦悪化

2019年7月5日

安倍首相もトランプ大統領を見習ったかと言われている対韓国輸出制限発動。タイミング悪いですね。G20大阪で議長国として自由貿易を唱えた直後に、その自由貿易の対極にある輸出制限を課すという動き。日本人として最近の韓国政府は理不尽だと感じます。とは言え、その対策として半導体などに不可欠な素材の輸出制限発動は切り札です。G20直後にその切り札を使うということは世界に対する印象が良くないですよ。参院選挙を睨んだ政策とも見えますが、国内政治的な発想で経済政策を打ち出すのも世界の理解を得にくいことでしょう。韓国叩きや中国叩きは票稼ぎには有効なことは事実ですけどね。報復合戦にもなりかねず、それこそ今問題の将来の年金原資確保などにも影響を与えかねません。輸出制限などの保護主義では経済の成長は見込めないからです。縮小均衡の負のスパイラルに陥るので年金を運用しても増えない、或いは損失で減ってしまうという結果も懸念されます。縮小均衡というのは限られたパイを皆で食い合う状況ですから。

金の世界で輸出入制限という事態は、南アのクルーガーランド金貨輸入禁止という事例が1980年代にありました。当時アパルトヘイトという人種差別政策を続けていた南アに対して、米国などが南アの基幹産業とも言える金を標的にしたのです。その結果、当時はカナダのメイプルリーフ金貨が漁夫の利を得るという結果になりました。80年代は金産出国と言えばダントツで南ア。それが今や世界最大の金生産国はダントツで中国。時代の流れを感じます。今では南ア経済の金依存度は低くなっています。南アには優秀な金鉱山技術者たちが多くいたのですが、多くはオーストラリアとか南米、ロシアそして中国などの金生産国に「頭脳流出」してゆきました。現在の南アの金産業は空洞化と言えます。

さて、蒸し暑いですね~~(汗)。

私はスキーヤーで寒冷地仕様のカラダなので(笑)、梅雨の湿気は大の苦手。ゴルフをやってもカラダの切れが悪い。春は絶好調で、アイアンの打感が乾いたシャープな音だったのが、今やドスッとかドカッとか鈍くなった(笑)。そんなことにはお構いなしに今年は金価格がエキサイティングになって大忙しという状況です~。

 

2019年