2019年5月17日
3月に中国が2兆2千億円相当の米国債を売却していたことが明らかになりました。米国債が貿易戦争の武器に使われるとの憶測が流れます。米国債が大量に売却されればドル金利は急騰して、悪い金利上昇ゆえ基軸通貨ドルへの信認は薄れます。市場は大混乱に陥るでしょう。まだ2兆円程度では市場への影響は軽微です。
中国の米国債保有額はざっくり120兆円相当。中国の外貨準備は330兆円相当。ですから3月の売却額2兆円程度はほんの一部に過ぎません。
とは言え、3月の米国債売却量は16年10月以来の大きさ、米国債保有額は17年3月以来の少なさと言われるとやはり気になりますね。
米国債が売られ、代わりに買われているのが金。中国人民銀行が外貨準備としての金保有を増やしていることは本欄でも書いてきました。
中国政府としては米国の匂いがプンプンする米国債より、無国籍通貨=金の方が保有しやすいのです。
いずれは中国の公的金準備が5000トンに達すると私は見ています。
年間金鉱山生産量が3300トンほどですから、これは市場に大きな影響を与えます。これが私の長期金強気論の理由のひとつなのです。