豊島逸夫の手帖

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NY金、1460ドル台へ急落

2019年11月8日

NY株価連日の新高値更新、米10年債利回りは急反発して2%接近、ドル高・円安。金は一気に1460ドル台まで急落。

昨晩は米中貿易協議で興味深い進展(?)が見られた。9月発動の追加関税撤回と12月発動予定の追加関税延期の可能性が中国側から示唆されたのだ。株式市場はこの買い材料に食いついた。但しホワイトハウス内では対中強硬派の意見も根強く、米国側は譲歩するならそれに見合う相当の条件を提示することは必定だ。中国の米農産物購入額を2年で5兆円相当以上に増やす条件などは、とても中国が受け入れることができる規模ではない。

一方、米中貿易協議「第一段階」を文書化して合意した上で署名式を挙行する運びなのだが、そのセレモニーの開催場所がなかなか決まらない。オハイオ、アラスカ、スウェーデン、スイス等々。そうこうしているうちにトランプ氏のちゃぶ台返しリスクも芽生える。本番直前での翻意は「得意技」ゆえ、中国側もうっかり話に乗れないとの慎重な姿勢が透ける。

それでも株式市場は前のめりに先取りして買い続行だ。

そもそも今回の買いはヘッジファンド主導。日本株買いも同様で日本人は殆ど乗れていない。それどころか個人投資家の比率は下がっている。「個人不在の日本株上昇」と言われる所以だ。日本株市場のプレーヤーの7割以上が外国人という状況は変わらない。日本人としては、なんとももどかしいが、これが実態だ。日本の大手保険など機関投資家は2019年度末の日経平均を21000円と予測して、日本株の持ち高を減らすと公言している。こうなるとヘッジファンドが手を引く時が株高の終着駅となる。なんとも危うい株高の構図だ。

それゆえ筆者はここまで金が下がると、これまでの高値慎重姿勢から買い下がり姿勢に転じる。1400~1450のレンジでは中国・インドの本格現物買いが久しぶりに見られよう。これまで高値圏で買い控えてきたので潜在的買い余地は大きい。1400ドルという価格水準は本来彼らから見れば「高い」のだが、1560ドルまで上がったことを思えば相対的な買いの値ごろ感は出てくる。

NYのヘッジファンドも米国株価史上最高値更新となると高値警戒感も根強く、ヘッジとして金を「中期」保有の意図が目立つ。積極的に株で仕掛けるが、保険として金も買っておくという発想だ。

 

さて、昨日は「ミヤネ屋」で韓国経済についてバッサリ斬ってきた。「キレキレ」、「爽快な解説で気分スッキリ」などの反応に、私も「ストレス発散」できた気持ち(笑)。韓国問題は引火性高くすぐ炎上しがちだが、私の場合は年の功で怖いものなし、完全に開き直って本音で語る。スタジオ内で私だけ台本を持ち込まず流れで話した。

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それにしても肩書が「世界経済アナリスト」って怪しいよね。本番まで気が付かず、そう紹介されて「えええ!!やめてよ!」と言いたかったが後の祭りだった(笑)。 読売テレビが引っ越しして新しくなり、出演者控室個室も大阪城を見渡す絶景。

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明日は東京プリンスホテルにて、1000人という大規模セミナーの中で1時間ほど金を語る。金業界ではない会社の主催で基調講演の主題が「金」になるとは、金に対する関心の高さを改めて体感。このシリーズは大阪、福岡、名古屋と続く。仙台は台風で中止になった経緯がある。

 

 

 

2019年