豊島逸夫の手帖

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英離脱、シリア情勢に進展

2019年10月18日

昨日は英国とEUが離婚交渉で条件合意との報道が流れた。但し英国議会の承認待ちである。

トゥスクEU大統領は、いよいよ離婚決定かとの状況に「いつの日か戻ってきてもいいんだよ。ドアは開けたままにしておくからね。」と未練タラタラ。

一方、ボリス・ジョンソン英首相はこのまま離婚協議を決めたいのだが、親の許し(議会承認)を得ないと進めない。日本の時代劇みたいな婚姻関係。

英国家は北アイルランドという「養子」を抱えているので、その親権を巡る争いが最大のネックになっている。

北アイルランドを経済特区にみたいな扱いで、陸続きのアイルランドとの間に関税の壁は設けない。但しこれは暫定措置で、いずれ北アイルランドが英国・EU(アイルランド)どちらを選ぶか決めるという折衷案だ。

この展開で外為市場が揺れた。

米ドルの実効レートを示すドルインデックスが97台まで急落中だ。先月は100の大台が視野に入るほど急伸していたので、かなりのドル売りエネルギーが市場に噴出している。

とは言え、その実態はドルが売りの集中攻撃を受けているというより、ユーロとポンドが買われた結果起きた現象だ。

ポンド買いの背景はこのEU離脱問題に一定の進展が見られること。17日も英国EU離脱条件合意の報でポンドが急伸した。しかし、その後は英国議会承認のハードルを意識したポンド売りが再燃している。

かくして短期的乱高下を繰り返しつつ、今月に入り趨勢的に見ればポンド高傾向が顕著になっている。

一方、ユーロ買いの主たる要因はECBだ。

任期終了直前にドラギ総裁が置き土産として残した量的緩和再開を含む金融緩和パッケージは、市場のユーロ売りを誘発していた。ところが、その後ECB理事会議事録などでドイツ・フランス等から強い異論が出ていたことが判明。ドラギ氏が強引に主導した印象が強く、ユーロ売りに走っていた通貨投機筋が一転警戒モードに入った。次期ラガルド総裁は中央銀行経験が無く、その金融政策手腕は未知数だ。

更に急激に進行したドイツを中心とする欧州経済の悪化傾向に対しても、そろそろ底入れするのではとの見方も出始めていた。ドイツ10年債利回りも先月はマイナス0.7%台まで急落していたが、17日には一時マイナス0.3%台まで上昇する局面もあった。

今や世界の債券市場の目がドイツに向いているほど注目度は高い。ドイツ国債に連れて米10年債利回りが上昇するという現象も見られる。

対ドルのユーロ相場は先月末から今月初めにかけて1.08台までユーロ安・ドル高に振れていたのだが、直近では1.11台まで戻している。

なお、NY市場では「安全通貨」とされる米ドルがリスク選好度の回復とともに売られるという展開も無視できない。

その中で「安全通貨」の地位を米ドルと競う円は膠着状態になり、外為市場でマネーが寄り付かない。

英国・シリア情勢の緊張感が暫時後退して、若干円安には振れているがユーロ・ポンドに比べると値動きが限定的だ。

今後の焦点はやはり日米欧中央銀行の緩和競争だろう。

ECBが「最後のドラギ・マジック」で緩和競争優勢と見られたが、その後失速。FRBも日銀も金融政策には手詰まり感が強まる。最近はFOMC参加者の講演などで日銀に倣うイールドカーブコントロール導入論などが語られるほどだ。まずは10月29~30日開催のFOMCで市場織り込み通り予防的利下げが決定されるか。ECBと同じくFRB内部の意見もかなり割れている。利下げに対する反対者が9月FOMCでは2名であったが、その数が増えると外為市場では一転金利差要因のドル高に転じる可能性もある。利下げの有無より利下げ議論が発する異音に市場は耳を傾けている。

その中で金は方向感を欠く。1480~90ドル台を行ったり来たり。

さて昨日は久しぶりの本欄お馴染みイタリアン、マガーリ@自由が丘。やっぱりここが私のイタリアン三昧の原点だね。

マダムの「真由美ちゃん」とシェフの「たかさん」のコンビが絶妙。

季節のポルチーニ茸を食べまくり。私はマツタケよりポルチーニの方が断然好き。連れに言わせると今年のポルチーニは甘い。私に言わせるとイギリスが抜けるなら、うちも抜けるかもなどと思いつつイタリア人が食べる今年のポルチーニはほろ苦そう(笑)。

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まずはそのポルチーニをシンプルにオリーブオイルなどで焼いたグリル。旬の素材と「たかさん」の熱の通し方が相変わらず抜群。

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そして、きしめんみたいな自家製パスタでも。食感も相性がいいね。

旨かった!

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2019年