2008年1月15日
連休中も連日出社。NY、ロンドン、ボストンを結ぶ某プロジェクトチームと深夜の電話会議とか、NYの弁護士事務所から送られてくる5MB級の書類と格闘。外人15名の平均年齢30代なかば。ニホンジンのおじさんにはきついぜ。別件まで飛び出し、あれやこれや深夜までやっていたので、今朝はお疲れモード。要点だけまとめる。
ドルユーロは1.49に接近。シカゴのドルインデックスも過去最低の74に迫る75へ。本日日経朝刊にも報道のとおり、FFレート年内に2%台の観測まで浮上。
金融不安説に揺れるNY株は昨晩こそ反騰したものの、今年はdefensive(守り)の年という諦めモード。株を処分して金に乗り換える動きが顕著。日本の店頭でさえ、明らかに株を売ったおカネとみられる数千万単位のマネーで、ポンと新規買いしてゆく光景が見られる。900ドルといっても、過去のしがらみのない新規購入者にとってみれば、抵抗なく受け入れられる。金市場のベテランほど過去の経験則から今の価格水準が"シンジラレナ―― イ!"
史上最高値突破した瞬間からマーケットはベンチマークを失った。いわゆる青天井とは前にも書いたとおり。唯一のベンチマークらしい数字といえば、1980年の旧史上最高値875ドルをインフレ調整済みでみれば2250ドルという数字。成層圏を脱出したロケットが向う先は月(1000ドル)か、はたまた火星(2000ドル)か。とにかく、世界の店頭では、青天井となった瞬間から大口の新規買いが急増中。史上最高値の前までは調整必至と考えていたのが、なにかふっきれた感じなのだ。
商品市場内では過去10年間で原油は10倍近くに上がったけど、金はまだ3倍そこそこという出遅れ感を見る向きも。相場ゆえ上がったものは下がる、でも、それほど下がらないから、もう世界中の金投資家が下値は諦めて、ほとほどで買いを入れる。1500ドルのコールオプションなどが売れている。
金ETFが900ドルで、なんと785トンから794トンへ急増。これには筆者もびっくり。インドの実需が減っても、それを金ETFが相殺している。
イラン情勢も再び怪しい。ブッシュがホルムズ海峡に近いアブダビを訪問し、吠える、吠える。"イランこそ世界最大のテロのスポンサー。レバノンの平和をかく乱し、タリバンには武器を送り、近隣諸国には脅しをかけ、国連は無視し、地域全体の不安定化を目論む"
ホルムズ海峡パトロール任務の米第五艦隊コマンダーを激励。コマンダーいわく"ホルムズ海峡の米艦イラン艦接触はdeadly serious(ヒジョーにヤバイ)"。
ところ変わってシカゴでは穀物が大変なことになっている。トウモロコシ、大豆、綿などが急騰すると一般物価への波及は必至。このあたりの事情は、週末のWGCセミナーで日経志田編集委員がまさに語るところです。ちなみに、その土曜日夜のテレビ東京WBS(ワールドビジネスサテライト)では、塩田真弓キャスターが、動乱のシカゴ商品市場に単身乗り込み、フロアーから迫真の現地レポート送るはず。昼はセミナーで、夜はWBCで、ベンキョーしましょう。
あ、それから、19日東京、27日大阪のセミナーには記録的な応募あり。大阪会場のテイジンホールのキャパは大丈夫なのですが、問題は丸ビル。300名しかありません。こういうときに正直悩むのが応募者のなかで当日欠席がどれほど出るかということ。場合によっては追加開催も考えます。
なんだ、一気に書き終えてみたら ちっとも"手身近"にはなってないね(笑)。