豊島逸夫の手帖

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アブダビ投資庁の運用資産配分

2008年6月24日

昨日の金市場。NY寄り付きに、わずか15分で25ドルの急落。最近、急落も急騰も、こういうパターンが多いのだ。電子取引のプラットフォーム(場)に、大玉(まとまった売買注文)が瞬時に出て、その日の取引は実質終了。多くのトレーダーは あっけにとられたまま。昨晩の場合、きっかけは対ユーロのドル高というお馴染みの要因。ストップロスとか利益確定売りとか、その時のポジションは様々。昨晩はとくにFOMC前で、やばそうなポジションはきれいにしたかったのだろうね。素人衆とは無関係の値動きだ。

さて、話題を変えて、拾った数字をいくつか紹介。

まず、米国住宅価格の変動率。2005-6年のピークからの下落率と2000-2008年の長期的上昇率を比べると興味深い。


 

ピークからの下落率

2000-2008年

NY

  -8.9%

  97%

ワシントンDC

-19.4%

102%

マイアミ

-25.6%

109%

サンディエゴ

-26.0%

85%


昔からの土地持ちと、新興層とは 影響が相当違うのだね。
次に、ガラッと変わってアブダビ投資庁の運用資産配分。


先進国株式

45-55%

新興国株式

8-12%

小型株

1-4%

国債

12-18%

社債

4-8%

代替投資

5-10%

不動産

5-10%

PE未公開株

2-8%

インフラ投資

0-4%

キャッシュ

0-5%


彼ら(ADIA)がモデルにしているのは、ハーバード大学基金の運用。この比率をきっちり守る。米国金融株がサブプライムで下がると、そのセクターがアンダーウエイト(比率低下)になるので、新規の米国金融株購入できっちり比率を維持するようだ。
最後はリーマンをどこが買うかという噂。ブラックロック、HSBCなどの名前が囁かれている。

2008年