2008年5月7日
連休後半、福島の携帯圏外で山菜採りにいそしんでいる間に、欧米市場の景色が変わっていた。コモディティー(商品)分野の扱いが、"もうバブルの終焉"というものから、"やっぱり無視できないセクター"という見方に180度転換していたのだ。そのきっかけは、もちろん原油120ドル。もうバブル終焉、いくらなんでも投機的相場と言われ続けながら、ついにここまできてしまった。
そして、昨晩はゴールドマンサックスの衝撃の発表。いち早く原油100ドル予測を打ち出し、当時は懐疑的に見られたが、結果は大当たりとなった同社の新予測だけに、インパクトがある。Super price spike(スーパー価格騰貴)と名付けられた内容だが、タイミングは2年内としている。
これを受けて、マーケットでは、100ドルまではインフレにつながる可能性も薄かったが、これ以上加速するとなると、さすがに影響が心配になってきている。
なお、今回の原油120ドルは、ナイジェリア関連のサプライショックが空売りの買い戻しを誘発したもの。ショートカバーラリーと呼ばれる。原油先物市場のショート(空売り)ポジションが急増していた矢先だった。いまの市場環境では、どんな材料が飛び出すか分らないからショートは怖いよね。
さて、いよいよ連休明けの5月相場。例年ヘッジファンドの決算売りで荒れるが、どうも今年は様相が若干違うことに気がついた。信用収縮の中で、ヘッジファンドの多くが、アンダーレバレッジ(レバレッジを極端に下げている状態)で、キャッシュポジションを潤沢に抱えているのだ。やばそうなポジションはすでに解消済。そういう意味では、例年よりキレイなカラダで5月の決算期を迎えることになった。期末寸前のドタバタは、それほど起こりそうにない雰囲気だ。
最後に金価格は、原油高騰に引っ張られて850ドルを底値に870ドル台まで反騰。案の定、実需は活発。金ETFは742トンから748トンまで久々の上昇...。まぁまぁの反発だが、まだ、いまいち迫力に欠ける。それでも例の850ドルという底値を確認中の段階の様相だ。
5月のゲームの先発ローテーションは原油。金は次のローテーションまでベンチウオーマー。