2008年10月24日
海外金価格はユーロ安=ドル高に反応して700ドル割れ寸前まで急落中。これまでの金市場の常識であれば、金価格700ドルまで下がるときは、ドル高=円安で例えばドル円が110円台となっていたのだが、今回の外為のベクトルはドルが高いとか安いとかの話ではない。ユーロが売られ、円が買われている。ドルは、その"仲介通貨"みたいな役割になっている。700ドルとドル円95円の同時進行というシナリオには意表を突かれた。
アジアでは金現物買いラッシュであるが、NY中心のファンドは商品からの撤退モードが加速して売り手仕舞い一色である。今回はとくに11月のヘッジファンド決算期と金融危機に発する信用収縮の中で、リスク資産売却処分の流れが同じタイミングになっている。
加えて、世界景気同時後退、とくに中国経済9%への減速、原油急落によるインフレ懸念後退も重なった。こうなるとIMF金売却の話だけで市場は神経質になる。
とにかく全ての材料が円建て金価格下落に働いているのだが、これほどに同じタイミングで下げ材料が噴出することも稀なわけで、正に陰の極と言うべきであろう。いづれ来るであろう揺り戻しも、相当なマグニチュードになると思う。円高も海外金安もクライマックスと見る。