2008年3月26日
花粉バブルがピーク。ボーッとして筆進まず。
25日のNY市場は、ドルが対ユーロで再び急落して1.56。マクロ経済指標が悪すぎる。米住宅価格指数は11.4%低下。過去最大の下げ幅。米消費者信頼感指数は64.5で5年ぶりの低水準。金はドル安を素直に映し、20ドルの反騰で940ドル前後へ。
相次ぐFRBの対策発表は、金融不安を若干和らげたものの、米国債は引き続き"質への逃避"で買われている。マーケットの負った"心の傷"は深い。
NY株は多少反騰しても、所詮bear market rally=弱気相場の中での買い。焦点の金融株も日替わりで上がったり下がったり。
ヘッジファンドのディレバレッジもまだ続く気配。初心者の方から"もう少し分り易く説明して"との声あり。
うーむ、つまりですな、"ヘッジファンドは出資者からかき集めた資金に、さらに上乗せして銀行からカネを借りて運用している。結果的に、自己資金の何十倍もの取引をしていたわけだ。これをレバレッジ(テコ効果)と称する。ところが、最近の信用不安で疑心暗鬼になった銀行団がヘッジファンド融資にも警戒感を強めた。"担保をもっと差し出せ"と迫ったが、ヘッジファンドとしても、抱える住宅関連債券は担保として認められず。結局、運用資産規模の縮小に動かざるを得ない。これは手持ち資産の売却処分を意味する。金などは直ぐに売れる(流動性が高い)。しかも価格が下がったとは言え、儲かっている。"益出し"で株の損失を補てん出来る。というわけで、"ファンドの売り手仕舞い"の雪崩が起きたのだ。
数字的に検証すると、NY金先物買い残は久しぶりに600トンを割った。とはいえ、13.5トン減の597.2トンで激減とは言えない。それより金ETFが826トンのピークから798トンまで急落したことが注目される。1000ドルの目標達成感から相当量の利益確定売りがあったのだね。まぁ、500ドルくらいで買ってずっとあたためてきた人たちだから、倍になったところで売って当然と言えば当然か。
今後の節目は、4月中旬のシティー、メリル決算発表。5月のヘッジファンド決算期。株もドルも金も、まだまだ乱高下は続く。セミナーでは今年、200ドル程度の乱高下が2-3回はあるよ、と申し上げてきたが、あと2回はありそうだね。"シートベルト締めて、乱気流に耐えることが、精神的に不可"という方は、政府の掲げる"貯蓄から投資へ"という目標も諦めたほうがよろしい。それより、背伸びしない範囲で人生楽しんだほうがいいんじゃない。こんなこと書くと、金融証券業界からは余計なこと言って、うちらの商売の邪魔するなと言われそうだけど(笑)。