2008年9月5日
米国サブプライムが実体経済へ波及、米国の雇用悪化。
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米国を震源地とする"景況悪化"が津波となり大西洋を渡り欧州経済を直撃。
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震源地より津波被害地域のダメージがより大きいとの分析に基づき、
ドル売り、ユーロ買いのヘッジファンドポジションは一斉に巻き戻し。
(注:でも震源地が復興したわけではないよ。ここが勘どころ!)
商品市場では世界的需要減観測で原油続落。
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リスクポジション縮小(ディレバレッジ)、円キャリーも逆流。
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外為市場では円買い戻し、商品からはリスクマネー撤退。
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商品系ファンド破たん、金融不安も絶えず。
マーケットの損失額にもレバレッジがかかり被害額が膨張。
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加えて日米ともに政治空白期と重なり、市場の不透明感は増すばかり
(グローバル経済が正に正念場を迎えている時、自ら政権を投げ出す感覚に
経済観念は微塵も感じられず)。
こういう状況の時は、昨日書いたように節約、倹約して、じっと嵐の止むのを待つしかない。台風だから、早晩、通過するよ。
米国発のニュース見ても、ウオールマートが(米国)新学期前の学用品値下げ戦略で売り上げ好調とか、原油高で直行便数が減ったので乗継で安く旅行する術の特集とか、グーグル社員は社員家族全員が社食で昼食も夕食もタダでいいな、とか小ぶりの話題ばかり。
マーケットが全面安の中でも筆者の注目はユーロ円。上記のサイクルの中でユーロ売り、円買いが同時進行してアッという間にクロスレートのユーロ円は152円台突入。ポジション巻き戻しが引き起こした相場の一時的現象と見れば、個人的にはここに一番の魅力を感じる。"米国景況悪化のほうがまだマシ"という弱さ比べの相対評価に、持続性は感じられず。キャリー取引に象徴されるリスクマネーも、このままキャッシュポジションだけ増やして、高額の運用報酬をいただけるはずもない。
ちなみにヘッジファンドの今年の月間パフォーマンス。
1月 ↓2.85%、 2月 ↑2.31%, 3月 ↓2.59%、
4月 ↑2.06%、 5月 ↑2.63%、 6月 ↓0.51%、
7月 ↓3.16% そして8月は 相当酷いことになっていそう。
7月のヘッジファンドへの資金流入額が100億ドルへ"急減"だそうだが、まだそんなにマネーが入っているほうが不思議なくらい(今年に入ってからの流入額は前年比でマイナス52%とのこと)。
retain asset value=運用資産目減りを防ぐことが緊急の課題だと...。たしかに、色々なモグラの穴に分散して逃避していたものの、火炎放射を受けて、どの穴の中もアッチッチというのが現状だからねぇ。でも下手に穴の外に逃げ出せば火傷が酷くなるばかり。サウナでダイエットと思い、ひたすらジッと汗流すに任せるしかなかろう。火炎放射は一過性だよ。
昨日のCNBCデリバティブ番組でのキャスター嬢との会話再現。
―急落を続ける金相場。下げ止まりの様子も見られますが。
―いえ、下げ止まっていません。これまで金価格上昇を推進していた要因が逆噴射しています。ただし、長期上昇トレンドまで変わったとは全く思っていません。
なお、来週月曜発売の週刊東洋経済"市場観測"欄に、2ページほど価格見通しのインタビューが載る予定。取材は先週だったが、鮮度は落ちていない成り行きとなっている(残念なことだが)。
でも、市場のセンチメントなど瞬時に変わるのが最近のマーケットであるよ。3週間で200ドル下がることもあれば、200ドル上がることも珍しくない。まだ年末まで120日余りもある。先は長―い。
なお、今夜は毎度お騒がせ米雇用統計発表だが、前夜祭で十分に盛り上がって(否、正しくは盛り下がって)売り込まれ、織り込み済みゆえ、マーケットの反応があるとすれば↑のサプライズしかないと思う。