豊島逸夫の手帖

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エアポケットから急上昇

2008年3月6日

昨日書いたように、最近の金市場はワンツーパンチでダウンしても立ち直りが早い。先週のIMF売却で30ドル急落時も24時間で下げを取り戻し、今回も4日の急落後 5日には急騰で新高値更新。急落が、結果的に地合の強さを印象づけた。

昨晩の急騰の理由は
―ユーロが1.5302ドルの新高値更新
―原油が104.95ドルの新高値更新
この二つに尽きるね。

背景としては
―AMBAC(大手の債権保証会社)がトリプルA維持のため1500億円資本増強案を発表するも、市場は不十分との見方で一致。引き続き米経済の信用不安が嫌気される状況。FRB幹部の相次ぐ悲観発言も、経済悪化を正直に語っているとの理解。
―ベージュブックも発表されたが、12地区連銀ほとんどが各地経済減速を認める。
―ISM非製造業景気指数(50%を下回ると景気後退を示唆)は49.3%、前月の44.6%よりマシで、事前予測を上回った。これは好感されたが、上記の材料にかき消されたカタチ。
―原油は、米国備蓄在庫が310万バレルという予想外の減少と、OPEC増産せずの報が効いた。
―商品市場では、銅も銀も新高値更新。

ということで金市場は再び1000ドルに急接近。株、債券、ドルから金への資金シフトが加速。足元では、利益確定売りもかなり出ているが、素直にモメンタムについて行きましょう。

2008年